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猫が吐くことについて
猫が吐く原因と対処法について
猫はときどき吐くことがありますが、これが自然な行動なのか、それとも何か健康上の問題を抱えているのか、飼い主様にとっては心配の種となることも多いでしょう。本ブログでは、猫が吐く原因や症状、診断方法、治療法について説明します。飼い主様が猫の健康を守るために役立つ情報をお届けしますので、ご参考にしてください。
猫の「吐く」とは?
猫が吐く行為には、「嘔吐」と「吐出」の2種類があります。
- 嘔吐: 胃の内容物を吐き出すこと。多くの場合、前兆としてよだれを垂らしたり、腹部を収縮させたりします。
- 吐出: 胃よりも手前、食道にある内容物が逆流して吐き出されること。前兆がなく、突然起こります。
嘔吐と吐出は原因が異なるため、どちらの症状かを観察することが重要です。また、たまに吐くのは猫の生理的な行動である場合もありますが、頻繁に吐く場合やその他の異常を伴う場合は注意が必要になります。
猫の「吐く」の症状
猫が吐く際に観察される症状には以下のようなものがあります。
- 吐瀉物に食べたものが含まれている
- 吐瀉物に毛玉(ヘアボール)が含まれている
- 黄色い液体(胃液や胆汁)が混ざっている
- 食欲減退や体重減少を伴う
- 嘔吐後も元気がなくぐったりしている
- 吐く頻度が多い(週に数回以上)
- 血が混ざっている
これらの症状が見られる場合、単なる生理的な嘔吐ではなく、病気の可能性も考えられます。
猫が吐く原因
猫が吐く原因にはさまざまなものがあります。以下に主な原因を挙げます。
- 毛玉(ヘアボール)
猫が毛づくろいをして飲み込んだ毛を胃の中で固め、吐き出すことがあります。これは特に長毛種の猫に多い行動です。 - 急いで食べる・食べ過ぎ
食事を急いで食べたり、一度に大量に食べたりすると、胃が消化しきれずに吐いてしまうことがあります。 - 食べ物アレルギーや食事の変化
新しいフードに変えた場合や、アレルギーを引き起こす成分が含まれている場合、胃が刺激を受けて嘔吐することがあります。 - 胃腸の炎症や異物誤飲
胃腸の炎症(胃炎や腸炎)や、食べてはいけないものを誤って飲み込んでしまった場合も嘔吐が起こります。 - 寄生虫感染
回虫や鉤虫などの寄生虫が胃や腸に寄生していると、嘔吐や下痢が見られることがあります。 - 感染症や内臓疾患
猫汎白血球減少症や腎臓病、肝疾患、糖尿病などが嘔吐の原因となる場合もあります。 - 中毒
チョコレート、タマネギ、ユリの花など猫に有害なものを摂取した場合、中毒症状として嘔吐が見られます。 - 食道拡張症
食道の収縮機能が低下し、食物や液体が胃に運ばれにくくなる疾患です。
猫が吐く場合の診断
猫が吐く原因を特定するためには、獣医師による診断が必要です。以下のように必要な検査が行われます。
- 問診
飼い主様から、嘔吐の頻度や状況、食事内容、最近の環境変化について詳しく伺います。 - 身体検査
お腹の触診や、脱水症状、体重減少がないか確認します。 - 血液検査
腎臓や肝臓の状態を確認し、感染症や炎症がないか調べます。 - 画像診断
レントゲンや超音波検査で、異物が詰まっていないか、内臓の異常がないか確認します。 - 糞便検査
寄生虫感染や消化不良の有無を調べます。
嘔吐の原因は多岐にわたるため、これらの検査結果を総合的に判断して原因を突き止めていきます。
猫が吐く場合の治療
治療方法は原因によって異なりますが、一般的な治療法を以下に挙げます。
- 毛玉の管理
毛玉を吐く頻度が高い場合、専用の毛玉対策フードや毛玉除去剤を使用することで対処します。 - 食事管理
急いで食べる猫には少量ずつ与える工夫をし、アレルギーが疑われる場合には低アレルゲンフードに切り替え。 - 内科的治療
胃炎や腸炎などが原因であれば、消化器系を保護する薬や抗炎症薬を使用します。 - 寄生虫駆除
寄生虫が原因の場合、駆虫薬を投与します。 - 手術
異物誤飲が原因で消化管に詰まりがある場合、内視鏡手術や手術が必要になることもあります。 - 中毒の場合の解毒処置
中毒が疑われる場合、早急に解毒処置を行います。
猫が吐く場合の予防方法
猫の嘔吐を予防するために、飼い主様ができることは次の通りです。
- 毛づくろいが多い猫には定期的にブラッシングを行い、毛玉の形成を防ぐ
- 一度に食べ過ぎないように少量ずつ与える
- 新しいフードを試す場合は少しずつ慣らしていく
- 危険な植物や食べ物を猫が届かない場所に保管する
- 定期的に健康診断を受ける
まとめ
猫が吐く原因は単なる毛玉から、深刻な病気までさまざまです。飼い主様が普段から猫の行動をよく観察し、異常を感じた場合には早めに動物病院を受診することが重要です。
当院では、猫が吐く原因を総合的に診断し、最適な治療を提供しています。お悩みの場合はご相談ください。猫の健康を守るため、飼い主様と治療をすすめていきます。
また、当院ホームページ内の消化器科もあわせてご覧ください。