眼科

代表的な眼の疾患

緑内障

眼球中は房水と呼ばれる液体で満たされていますが、何らかの原因で房水の排出が障害を受けると緑内障になります。症状としては、目の充血や痛みによる羞明が見られます。好発犬種として、柴犬、シーズー、プードル、チワワなどが挙げられます。
緑内障を発症し視神経が障害を受け失明した場合、残念ながら視覚の回復はできません。そのため、緑内障は早期発見、早期治療が非常に大切です。
治療方法としては、点眼薬のほかに半導体レーザー治療も行っております。

白内障

白内障は目の中の水晶体が混濁し、白くなった状態です。症状が進行すると、視覚障害が見られます。合併症として、水晶体起因性ぶどう膜炎、水晶体脱臼、緑内障、網膜剥離などが挙げられます。進行をおさえるために治療を続けることが大事です。

流涙症

涙が眼からあふれ、毛が赤褐色に涙やけが生じたり、眼周囲の皮膚炎が認められます。涙の排泄異常が起こる鼻涙管閉塞だったり、アレルギー、逆さまつ毛などが原因で涙の量が増えることなどが原因で起こります。
涙は涙腺で生成され、まばたきをするたびに分泌されていき眼の表面へ広がっていき乾燥を防いだり、酸素や栄養を供給しています。この際にまぶたに沿ってあるマイボーム腺などから分泌されている油成分が涙を保護し蒸発を防いでいます。そして目頭にある涙点に入り、鼻涙管を通って鼻に抜けています。鼻涙管閉塞を開通するために全身麻酔下にて鼻涙管洗浄も行っております。

乾性角結膜炎

乾性角結膜炎はドライアイと呼ばれ、涙の量が少なくなることで引き起こされる角膜及び結膜の炎症性疾患です。症状としては、ネバネバした粘液性あるいは膿性の目やにが多く見られます。犬種によってなりやすさが異なることから、遺伝的要因によると考えられています。

角膜潰瘍

角膜は眼球の表面にありますが、角膜潰瘍は角膜上皮に傷がついている状態です。どの犬種、猫種でも見られますが、特にパグなどの短頭種や基礎疾患としてドライアイを持っている場合には見られやすいです。

結膜炎

眼は花粉、ほこり、ゴミ、毛、砂など異物が入りやすい組織です。赤くなったり、かゆがったりします。思い当たるものがあれば避けていくこととそして1日3~５回の点眼が必要になります。