避妊・去勢手術
Castration
Merit 手術のメリット
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Merit01
病気の予防により
寿命がのびる -
Merit02
望まない繁殖を
避けられる -
Merit03
精神的な安定化
Prenevention 手術で防げること
- 乳腺腫瘍
犬では乳腺腫瘍が頻繁に見られ、特に中高齢の避妊手術をしていない雌犬に多く見受けられます。乳腺腫瘍は良性・悪性とありますが、良性と悪性の比率は7対3と言われています。悪性の場合には、リンパ節や肺への転移が見られ、命に関わることもあります。乳腺腫瘍は外科手術が中心になりますが、状態により手術方法が異なるため飼い主様とよくご相談し、選択することが大切であると考えています。
猫では乳腺腫瘍の発生率は低いものの、発生した場合には悪性の可能性も高く早期の積極的な治療が勧められます。- 子宮蓄膿症
子宮蓄膿症は、子宮の中に膿が溜まる疾患です。犬で多く見られますが、猫でも稀に見られることがあります。若い犬で見られることもありますが、通常は5歳以降に見られ、特に出産経験がない高齢犬は注意が必要です。発情終了後〜3か月ほどが最も発症しやすいので、その時期に多飲多尿など何か症状が見られる際には疑われます。治療方法としては、卵巣および子宮を摘出する外科手術のほか、プロスタグランジンを使用する内科療法があります。外科手術を行う体力がない場合や飼い主様の希望により内科治療を行うこともありますが、再発することも多いため、最善の治療は外科手術となります。
- 前立腺疾患
去勢手術を行なっていない高齢犬は、前立腺肥大を起こしやすくなります。前立腺肥大は雄の生殖器の病気で最も多いですが、肥大することで尿道や消化管が狭くなり、排尿や排便がしにくい状態になります。尿が出にくい場合には、膀胱炎になりやすく進行すると腎臓に影響し、尿毒症を発症すると嘔吐や下痢などの消化器症状が見られることもあります。状態により緊急性がある場合もあるため、若く健康なうちに去勢手術を行うことをおすすめします。
- 精巣腫瘍
雄の生殖器である精巣が腫瘍化してしまうことがあります。特に中高齢の去勢をしていない雄犬の腫瘍が多くを占めます。
精巣腫瘍の多くは、精上皮腫(セミノーマ)・セルトリ細胞腫・間質細胞腫(ライディッヒ細胞腫)の3つに分けられます。
治療としては、外科的摘出が基本となります。転移の可能性は低いため、去勢手術によって大半の予後は良好とされています。
Features 当院の避妊・去勢手術の特徴
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Feature01
丁寧な術前検査
麻酔前検査を丁寧に行い、内臓や心臓、呼吸器などをしっかりチェックすることで、麻酔によるリスクが限りなく少なくなるよう努めております。
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Feature02
負担を抑えた手術
身体への負担を最小限に抑えた安全な手術を行っております。
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Feature03
痛みに配慮した取り組み
安全な麻酔管理と鎮痛管理で、動物たちが極力痛みを感じないよう努めております。
Treatment
避妊・去勢手術における
麻酔処置について
避妊・去勢手術の吸入麻酔
犬の吸入麻酔は気管内挿管という方法をとります。喉から柔らかいチューブを気管内に入れて麻酔や酸素を送り込んであげる方法です。気管チューブと呼ばれ肺に麻酔や酸素を安定して送ってあげることや麻酔中に気道がふさがって窒息してしまうことを防ぐことができます。
あらかじめ静脈内に留置針を入れておいて気管チューブを入れることができるように麻酔薬などを注射で投与します。注射薬が効いてくると意識がなくなっていき口を開けてもいやがらなくなり、気管内挿管が安全に行えます。
喉頭鏡という器具を使って喉の奥を見ながら気管チューブを挿入します。
気管チューブが入ったら麻酔器につなげて吸入麻酔が効いてくるのを確認してあげます。
避妊・去勢手術の人工呼吸やモニター
気管内挿管は人工呼吸器につなげて呼吸の安定したコントロールを行うことができます。手術中は体温の低下を防ぐために保温マットの上でおこない、静脈点滴をして循環を安定させます。
麻酔をかけている間は、心電計や血圧計やPO2、PCO2(酸素、二酸化炭素の状態管理)など身体の状態をモニターにうつしだし、犬の安全を確保しながら吸入麻酔は行います。
手術がおわったら吸入麻酔薬をとめて酸素は送りこんだままにして起きてきたら気管チューブを抜いていきます。
術後のケア
手術の後は入院ゲージに移動して安静にしてあげます。
状況によっては酸素室でしばらく安静にしてあげることもあります。
縫合した糸はとってしまうことがあるため皮膚がつくまでの2週間ぐらいは、わんちゃんにはエリザベスカラーをつけたままにします。ねこちゃんはエリザベスカラーはつけません。
麻酔がさめて安定してきますので次の日に飼い主さんにお返しをします。
自宅では、抜糸する約2週間まではカラーをつけたままにしてできるだけ安静にしてあげてください。
また、エリザベスカラーや術後服持参の方はお伝えください。
エリザベスカラーの長所は傷口が見えていて常に確認ができること、短所は届いてしまうことがあり工夫が必要になることです。
術後服の長所は覆い隠すことで痛々しさがないこと、短所はウェアーによる傷口のすれや尿などの汚染がおきた時に傷口が見えず開いた時に発見がおくれることがあります。
Flow 手術の流れ
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Step01受付・問診
日頃の診察時に避妊・去勢:手術のご相談、手術の予約を承っております。
お電話でもご相談をお受けできます。
初診の方は、手術前のご来院・診察が望ましいです。 -
Step02診察・術前検査
血液検査にて肝臓・腎臓・赤血球・白血球・血小板などの全身状態の検査や心臓肺などのチェックを行います。
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Step03手術
手術の当日0時以降は、お食事を摂らない絶食状態でご来院ください。(ただし状態により異なることがあるため、予約時にお伝えします)。
個体差はありますが、おおよその手術時間としては、去勢手術は約30分。避妊手術は約1時間を予定しています。手術の際にスケーリング(歯石除去)を行うことも可能です。 -
Step04お返し
避妊・去勢手術は1泊入院し、次の日の午前もしくは午後の診察時間内のお返しになります。
お薬の処方や今後のお家でのケアについて、お迎え時にお話をさせていただきます。抜糸は約2週間後を予定しています。
ワンちゃんは、手術後に糸を噛みちぎってしまうことがあるため、エリザベスカラーを装着します。エリザベスカラーや術後服をお持ちの場合は教えてください。
ネコちゃんの場合、避妊手術は皮膚縫合を手術用ワイヤーで行うため、エリザベスカラーは必要ありません。去勢手術では、エリザベスカラーおよび抜糸も必要ありません。