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猫の下痢とは
下痢とは、腸管での水分の吸収不良等のことです。通常よりも柔らかい、または液体状の便が頻繁に排泄されます。猫は、急性(短期間)または慢性(長期間)で下痢になることがあります。これは、単なる一過性の場合や深刻な場合もあります。下痢が続くと、脱水や栄養不良といったリスクが高まるため、早期の対応が大切です。
<猫の下痢の症状>
猫の下痢の主な症状は、便の形状や頻度の変化ですが、それ以外にも以下のような症状が見られる場合があります。
- 便の異常:水っぽい便、粘液や血液が混ざった便
- 頻繁な排便:通常よりも多くトイレに行く
- 食欲不振:食べ物を拒否する、または食欲が低下する
- 体重減少:特に慢性的な下痢の場合に多い
- 嘔吐:胃腸の不調に伴う症状
- 脱水症状:元気がなく、皮膚の弾力が減少する
これらの症状が続く場合や、猫の状態が悪化している場合は、早めに動物病院で診察を受けることをお勧めします。
<猫の下痢の原因>
猫の下痢には多岐にわたる原因があります。以下は主な要因です。
1. 食事の影響
- 新しいフードへの急な切り替え
- おやつや缶詰やちゅーるなどを与えて体質的に身体に合わなかった場合
- 食物アレルギーや不耐性
- 腐敗した食べ物や異物の摂取
2. 感染症
- 細菌:大腸菌やサルモネラ菌やキャンピロバクターなど
- ウイルス:パルボウイルスや猫白血病ウイルス
- 寄生虫:回虫、コクシジウム、ジアルジア、トリコモナスなど
3. ストレス
環境の変化(引っ越し、新しい動物を招き入れたことなど)や、飼い主との分離不安が腸内環境に影響を与えることがあります。
4. 消化器疾患
炎症性腸疾患(IBD)や腫瘍などの病気も下痢を引き起こす原因になります。
5. 薬剤や毒物
抗生物質や鎮痛薬などの副作用として下痢が生じる場合もあります。また、有害物質(毒性植物や化学薬品)の摂取も原因となります。
<猫の下痢の診断>
下痢の原因を推定または特定するために診断をしていきます。動物病院では、必要に応じて以下のような検査が行われます。
1. 問診
猫の食事内容、生活環境、症状の経過などを飼い主様からヒアリングします。
2. 便検査
便の中に寄生虫、細菌が存在するかどうかを確認します。
3. 血液検査
感染症や臓器の機能異常を調べるために行います。
4. 画像診断
X線や超音波検査により、腸管の状態や異常を確認します。
5. その他の検査
必要に応じて内視鏡検査やバイオプシー(病理組織検査)を実施する場合もあります。
<猫の下痢の治療>
猫の下痢の治療は、原因や症状の重さに応じて異なります。以下に一般的な治療方法をお伝えします。
1. 食事管理
- 消化に優しい食事療法食への変更
- アレルギー対応食や高繊維食への変更
2. 薬物療法
- 抗生物質:細菌感染への対応として
- 駆虫薬:寄生虫が関わっているとき
- 消化酵素やプロバイオティクス:腸内環境の改善として
3. 輸液療法
脱水が進行している場合、点滴で水分や電解質を補充します。
4. ストレス管理
リラックスできる環境に整えたり、フェロモン製品を使用することでストレスを軽減します。
当院では、猫の下痢の治療を行っておりますのでお悩みの場合は一度ご相談ください。
猫の下痢は一時的なものから深刻な病気のサインまで様々です。気になる症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
また、当院ホームページ内の消化器科にも下痢について記載しております。そちらもあわせてご覧ください。