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猫のしこり・できもの

浜松市中央区にあるけんご動物クリニックです。

今回は猫のしこり・できものについてご説明させていただきます。

けんご動物クリニックでは、猫のしこり・できもの の治療を行っておりますのでお悩みの場合は一度ご相談ください。

猫のしこり・できものとは

猫の体に触れたときに「ぷくっとしたふくらみのある丸いできもの」「硬いしこり」「なんかコリコリする。」などを感じることがあります。これらは総称して 皮下腫瘤(ひかしゅりゅう) と呼ばれ、皮膚や皮下、筋肉の中など体のさまざまな部位に発生します。
「しこり・できものからの出血がある」「しこり・できものをなめている」こともあります。

しこりと聞くと「ガン(腫瘍)」を心配される飼い主様も多いですが、必ずしも悪性腫瘍とは限らず、良性の脂肪腫や炎症性のしこり であることもあります。

また、悪性腫瘍には大きくなるしこり・できもののだけでなく「皮膚がただれたり、かさぶたや傷のように見えるタイプの悪性腫瘍」もあります。

皮膚・皮下のしこりの悪性腫瘍は猫では多く、統計ではおよそ悪性腫瘍50%、良性腫瘍25%、非腫瘍25%になります。

見た目や触り心地では病名を見分けることはできず、確定診断は病理組織検査になります。また、針を吸って吸引して顕微鏡で調べる細胞診は組織全体を診れないため疑いの診断になります。

悪性腫瘍(がん・肉腫)でなければ経過観察してそのままを希望される飼い主さんもいます。悪性腫瘍(がん・肉腫)でない場合-良性腫瘍・非腫瘍では基本的には小さくはならず、大きくなってはいきますので体力のあるうちに、根治のため美容的なことも含めて外科手術を希望される飼い主さんもいます。

猫は被毛が密で、体を触る頻度も犬に比べて少ないため、しこりが大きくなってから見つかるケースも少なくありません。早期発見・早期治療のためにも、日頃のスキンシップが大切です。

猫のしこり・できものの症状

猫のしこりは大きさ・硬さ・場所によってさまざまな症状を引き起こしますが、初期の段階では無症状であることが多いです。

■ よくみられる症状や外観

  • 皮膚の下に触れる「こりっとした塊」
  • 触ると痛がる/嫌がる
  • しこりの部分が赤く腫れる
  • 毛が抜ける、患部を舐め続ける
  • しこりが急に大きくなる
  • しこりから液体や血が出る
  • ぽつぽつしたものや、こりこりしたものがある
  • 硬いもの・やわらかいもの、ゴツゴツしているもの、動くもの、皮膚に固定されたもの、
  • 大きさは米粒大からピンポン玉大まで様々。

特に注意すべきポイントは、
「短期間で急に大きくなる」しこり や、
「硬くて動かない」しこり
「出血・壊死」などを伴うしこり です。

これらは悪性腫瘍である可能性が高く、早急な受診が必要です。

猫のしこり・できものの種類と原因

猫にしこりができるものは多岐にわたり40~50種類あります。代表的なものを以下にまとめます。

明確な原因についてはまだ特定されてないものが多く、年齢や体質によるとされています。

良性腫瘍(命に関わらない腫瘍)

  • 脂肪腫(しぼうしゅ):柔らかいしこり。高齢猫に多い良性腫瘍。脂肪細胞が増えてできる良性のしこり
  • 基底細胞腫(きていさいぼうしゅ):首・顔・体幹にしこりとして見つかり、黒っぽい場合もある。皮膚の深いところの細胞が増えてできるしこり。

悪性腫瘍(がん)

  • 肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ):猫に比較的多い皮膚の悪性腫瘍。
  • 乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう):避妊していない雌猫に多く、約80%が悪性。
  • 線維肉腫(せんいにくしゅ)非常に硬い、進行の早い悪性腫瘍。
  • 扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)しこりではなく、皮膚が壊れて治らない傷のようにじゅくじゅくした状態が続く悪性腫瘍。
  • リンパ腫:リンパ球という免疫の細胞がガン化して、体のいろいろな場所に“しこり”や腫れをつくり広がる悪性腫瘍。

非腫瘍-炎症や感染などによるしこり

  • 膿瘍(のうよう):ケンカによる噛み傷から細菌感染し、膿が溜まってできる。はぜると血膿(ちうみ)が中から出てくる。
  • 嚢胞性(のうほうせい):皮脂や角質がたまっている状態。
  • 肉芽腫(にくがしゅ):長く続いた炎症でできた“もりあがったかたまり”。
  • ポリープ:粘膜が増えることでできる隆起物。

しこりの見た目や触り心地だけで 良性か悪性か非腫瘍か判断することはできません
そのため、適切な検査が大事です。

猫のしこり・できものの診断

しこりの診断では、目視だけでは判断できないため、状況により複数の検査を組み合わせて評価を行います。

① 触診

しこりの位置・硬さ・大きさ・可動性を確認します。
悪性のものは硬く、周囲の組織と癒着して動かないことが多いです。

■ ➁ 病理組織検査・生検(せいけん)

一部または全部を切り取り、詳しく調べる方法です。確定診断になります。
悪性腫瘍が疑われる場合には特に必要です。

③ 細胞診(さいぼうしん)

簡易的な方法です。注射針でしこりの中身を吸い取ったり、スタンプしたりして細胞を顕微鏡で調べる検査です。一部の細胞で判断することとなり、全体の組織を見られないため、病理検査に比べて確定診断にいたらず疑いのままになることが多いです。組織をとるニードルバイオプシーやパンチバイオプシーによる病理組織検査が確定診断のためには理想です。

④ 画像診断(レントゲン・エコー)

しこりが体の深部に及んでいないか、周囲の臓器への影響を調べます。

しこりの種類によって治療法が大きく変わるため、正確な診断がとても重要で、確定診断には病理検査が必要になります。

猫のしこり・できものの治療

治療方法は種類によって大きく異なります。

良性腫瘍の場合

  • 生活に支障がある場合や根治を望まれる場合には外科的切除
  • 根治を望まれない場合には経過観察(大きさの変化を定期チェック)

ほとんどの良性腫瘍は少しずつ大きくなっていきます。治療法は外科手術になります。

悪性腫瘍の場合

  • 早期の外科手術が基本になります
  • 必要に応じて化学療法(抗がん剤)
  • 再発リスクの管理

猫の悪性腫瘍は進行が早いものも多く、早期発見が予後を左右します。

非腫瘍の場合

  • 炎症性でもりあがっている場合には消炎剤や抗生剤。
  • 膿瘍の場合は排膿・洗浄・抗生剤。状況により外科手術をおこなうこともある。
  • 嚢胞性やポリープの場合にはすぐに手術が必要はありません。根治を望まれる場合には治療法は外科手術になります。

まとめ:しこりを見つけたら早めに動物病院へ

猫のしこり・できものは、良性から悪性まで原因がさまざまで見た目では判断できず、病理検査が確定診断になります。
特に猫は痛みや不調を隠す動物のため、飼い主様が早期に気づくことが非常に重要です。

  • 急に大きくなった
  • 触ると痛がる
  • 硬いしこりがある
  • 1か月以上治らない

このようなしこりがあれば、できるだけ早く受診してください。

けんご動物クリニックでは、猫のしこり・できもの の診断・治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

また、当院ホームページ内の、腫瘍科軟部外科・整形外科もあわせてご覧ください。

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