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猫のあごにできる「にきび・ぶつぶつ」って何?~猫の痤瘡(ざそう)について~

浜松市中央区にある動物病院の「けんご動物クリニック」です。

今回は、猫のあごにできる「にきび・ぶつぶつ」-猫の痤瘡(ざそう)についてご紹介します。

けんご動物クリニックでは、猫の痤瘡の治療を行っておりますのでお悩みの場合は一度ご相談ください。

猫の痤瘡(ざそう)とは

主にあごの下や口唇にできる皮膚の炎症性疾患で、いわゆる「にきびのような」状態で痤瘡(ざそう)といいます。毛穴が詰まって皮脂や老廃物がたまり、黒ずみや炎症が起こります。

そもそも猫の皮膚には「毛包(毛根を包む袋状の構造)」と「皮脂腺(皮膚を潤す皮脂を分泌する腺)」があります。そして、あごの下や下唇まわりには、皮脂腺が特に多く分布していて、皮脂分泌が盛んで、汚れやすい部位です。

見た目には黒いポツポツ、ぶつぶつ、赤く腫れたできものがあごの下や口周りに見られます。軽度の場合は無症状のこともありますが、悪化すると化膿やかさぶた、出血を伴うことがあります。

ヒトの「にきび」と猫の「痤瘡」は見た目がよく似てはいますが、違いがあります。ヒトの「にきび」は主に思春期に多くホルモンバランスの変化やアクネ菌の増殖などが関わっているとされ、猫の「痤瘡」は主に皮脂腺・毛包の詰まりと細菌・真菌感染が関わっています。

浜松市で動物病院をお探しの方で、気になる症状がある場合はご相談ください。

猫の痤瘡の症状

以下のような症状が見られることがあります。

  • あごの下に黒い「つぶつぶ」が見える
  • あごの下の皮膚が赤くなっている
  • あごの下にかさぶたや膿をもったできものがある
  • 痒み(かゆみ)や痛みであごの下をこすりつける行動をする
  • 慢性化するとあごの下がゴワゴワし、色素沈着を起こすこともある

通常は、黒い「つぶつぶ」があるような美容的な問題だけにとどまり、かゆみをおこさないことも多いです。しかし、細菌感染や真菌感染を併発すると急激に悪化することもあり、注意が必要です。

猫の痤瘡ができる仕組み(発生機序と原因)

  1. 毛包と皮脂腺の構造

 猫の皮膚には「毛包(毛根を包む袋状の構造)」と「皮脂腺(皮膚を潤す皮脂を分泌する腺)」があり、あごの下や下唇まわりには、皮脂腺が特に多く分布しているため、そもそも皮脂分泌が盛んで、汚れやすい部位です。

2. 角化異常と毛包の閉塞

  • 何らかの原因(体質、ストレス、ホルモン、免疫バランス、口周りの摩擦や汚れなど)で 毛包(毛の出口)が角質で詰まる ことにより皮脂や角質が毛穴にたまり、黒いブツブツ(コメド、角栓)が形成されます。
  • この段階が「猫のあごにおきる痤瘡」の初期です。

3. 二次感染の関与

  • 毛穴が塞がれ皮脂が溜まると、皮膚常在菌(ブドウ球菌などの細菌やマラセチアという酵母様真菌など)が増殖しやすくなります。
  • これにより毛包炎や膿皮症(皮膚の細菌感染症)を併発し、赤み・腫れ・膿・痂疲などの症状が強く出ます。

4. 慢性化の要因

  • 猫は毛繕いで常に口周りを使います。あごの下は食べかすや唾液がつきやすく、清潔を保ちにくい部位です。
  • 特に、プラスチック製の食器は表面に細かい傷がつきやすく、そこに細菌が繁殖するため痤瘡のリスクが上がるといわれています。
  • 皮脂腺の発達が強い猫や、免疫力が下がっている猫(高齢猫、他の病気がある猫)では繰り返し発症しやすいです。

猫の痤瘡の診断

猫のあごにできたにきびが痤瘡であるかどうかは、視診や皮膚検査によって判断します。以下のような検査を行うことがあります。

  • 皮膚のかき取り検査(細菌・真菌・寄生虫の確認)
  • 毛の抜き取り検査(寄生虫の確認)
  • 細菌培養検査皮膚生検

あごの炎症は、皮膚糸状菌症(カビ)や好酸球性皮膚炎などの別の皮膚病と類似することもあります。

猫の痤瘡の治療

痤瘡の治療は、症状の重症度と原因に応じて選択されます。

軽度の場合

  • 患部の清潔を保つ(ぬるま湯+ガーゼ/コットンや犬猫用の皮膚洗浄剤でやさしく拭く)
  • 抗菌成分入りの外用薬を使用(軟膏やローションなど)
  • 食器をステンレス製に変更する

軽度~中等度の場合

  • 抗生物質の内服
  • 抗炎症剤の使用
  • 真菌感染を合併した場合には抗真菌薬の使用
  • 皮脂コントロールのため薬用シャンプーを使用
  • 二次感染への対応

※外用薬は猫が舐めてしまい、悪化させてしまうこともあるため、使用法や塗布後の管理には注意が必要になります。

重症例

  • 強い腫れや膿瘍があれば切開排膿や外科手術を行う場合もあります。

猫の痤瘡の普段の手入れ

軽度の黒いブツブツ(コメド)のみで炎症が少ない場合や再発防止のためには、以下のような日常ケアをして清潔に保つことが悪化を防ぎます。

1. ぬるま湯+ガーゼ/コットンを使用する

柔らかいガーゼやコットンをぬるま湯で湿らせ、あご下をやさしく拭く

2.オーツスポットフォームを使用する

犬猫用の泡状の洗浄フォームで、除菌と保湿と消炎作用がある。主成分がコロイド状オートミール(Avena sativa extract)

3. ホットタオルを使用する

清潔なタオルをぬるま湯に浸し、軽く絞ってあごに1〜2分当てて、毛穴を開き角栓や皮脂を浮かせやすくして、やさしくふき取る。

4. 食後の口周り清拭

食後に必ずぬれタオルであご下を拭く。最もシンプルで再発防止には大切。これだけでも「再発の頻度」が大きく減ります。

まとめ

猫のあごに黒いポツポツや赤みがある場合、それは「痤瘡」であることが多いです。軽度で放っておくと悪化し、膿や痛みを伴う皮膚炎に発展する可能性もあります。

見た目の美容的な問題だけでなく、皮膚の健康に関わる問題にもなりますので、気になることがあれば早めにご相談ください。

けんご動物クリニックでは、猫の痤瘡の治療を行っております。浜松市で動物病院をお探しの方で、気になる症状がある場合はご相談ください。

また、当院ホームページ内の皮膚科もあわせてご覧ください。

袴田 健吾 先生の写真

この記事の監修

袴田 健吾                        Kengo Hakamata

けんご動物クリニック 院長・獣医師

浜松市出身。獣医師国家試験合格後、静岡県内の動物病院で経験を積み、「けんご動物クリニック」を開院。

犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。

飼い主さまとペットの気持ちに寄り添いながら、「この病院に任せてよかった」と思ってもらえる診療をめざしている。

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