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犬のくしゃみ

犬のくしゃみは、空気中の異物や刺激物を鼻腔から取り除こうとする生理的な反射行動の一種です。人間と同じように、鼻にゴミや花粉が入ったとき、あるいは寒暖差による刺激でくしゃみをすることがあります。しかし、頻繁にくしゃみを繰り返す場合や、他の症状を伴う場合は、病気や異常のサインである可能性もあります。

犬の健康を守るためには、くしゃみの原因を正確に把握し、必要に応じて適切な対応を取ることが重要です。このブログでは、犬のくしゃみについて、その症状、原因、診断方法、治療法について詳しく解説します。

<犬のくしゃみの症状>

犬がくしゃみをする際には、次のような特徴的な症状が見られることがあります:

  1. 一時的なくしゃみ:軽度の刺激による一時的なくしゃみで、数回で収まる。
  2. 頻繁なくしゃみ:一日に何度もくしゃみを繰り返す。
  3. 逆くしゃみ(リバーススニーズ):鼻から空気を吸い込むような音を伴う発作的な現象。喉や鼻の奥が刺激されたときに起こります。
  4. 分泌物の伴うくしゃみ:鼻水や膿がくしゃみとともに出ることがある。
  5. くしゃみ中の異音や痛みのサイン:くしゃみをする際に声を上げたり、痛がる仕草を見せたりする。

これらの症状が一時的であれば大きな問題ではない場合が多いですが、長期間続く場合や悪化する場合は早めの対応が必要です。

<犬のくしゃみの原因>

犬のくしゃみの原因は多岐にわたります。以下に主な原因を挙げます:

  1. アレルギー 花粉、ハウスダスト、カビ、香水など、環境中のアレルゲンによって鼻腔が刺激されることがあります。これが原因の場合、目の充血やかゆみ、皮膚の炎症などの症状が伴うこともあります。
  2. 異物の侵入 草やゴミ、小さな虫などが鼻腔内に入ると、犬はこれを排出しようとくしゃみをします。
  3. 感染症 ウイルス性や細菌性の感染症(例:犬伝染性気管支炎や副鼻腔炎)は、くしゃみの頻度を増やす要因となります。鼻水や膿がみられる場合、感染症の可能性が高いです。
  4. 歯の疾患 上顎の犬歯の歯周病が鼻腔に影響を及ぼし、くしゃみを引き起こすことがあります。慢性的な鼻出血をおこしたりします。
  5. 腫瘍やポリープ 鼻腔内の腫瘍やポリープが原因でくしゃみを引き起こす場合があります。これらは特に高齢の犬で見られることが多いです。
  6. 環境的要因 煙や香料、エアゾールなど、化学的な刺激物によって鼻腔が刺激されることがあります。

<犬のくしゃみの診断>

くしゃみの原因を特定するために診断していきます。主な診断手法には次のようなものがあり、必要に応じて行っていきます。:

  1. 問診 飼い主様から、くしゃみの頻度、タイミング、環境要因などを詳しく伺います。
  2. 身体検査 鼻腔内や口腔内の観察、触診などを行います。
  3. 画像診断 レントゲンを使用して、鼻腔内の異常(異物や腫瘍)を確認します。
  4. アレルギー検査 アレルギーの可能性がある場合、アレルゲン特定のための血液検査を行います。
  5. 細菌培養検査 鼻水や分泌物を採取し、感染症の有無や感受性のある抗生物質を調べます。

<犬のくしゃみの治療>

犬のくしゃみの治療方法は、その原因によって異なります。以下に主な治療法を挙げます:

  1. アレルギーの場合
    • アレルゲンを特定し、それを避けるよう環境を整えます。
    • 抗ヒスタミン薬やステロイド薬の投与をします。
  2. 異物の場合
    • 異物が鼻腔内にある場合は、麻酔下で安全に取り除きます。
  3. 感染症の場合
    • 抗生物質や抗ウイルス薬を使用します。
  4. 歯の疾患の場合
    • 歯石除去や抜歯などの歯科治療を行います。
  5. 腫瘍やポリープの場合
    • 外科手術で腫瘍やポリープを摘出します。
    • 必要に応じて化学療法を行います。
  6. 環境的要因の場合
    • 刺激物を取り除き、室内環境を改善します。

<まとめ>

犬のくしゃみは、軽い刺激による一過性のものである場合もありますが、頻繁に起こる場合や他の症状を伴う場合は、病気や異常の可能性があります。飼い主様は愛犬のくしゃみの様子を注意深く観察し、異常を感じた場合には動物病院を受診してください。

当院では、犬のくしゃみの診断および治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

また、当院ホームページ内の子犬・子猫の感染症治療予防ワクチン・健康診断循環器科もあわせてご覧ください。

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