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犬の涙やけについて
<犬の涙やけとは>
涙やけは、犬の目の周り、特に目の下に涙が過剰に分泌され、その涙が毛に浸透して赤茶色に変色する状態をいいます。
涙は血液から血球がのぞかれたもので水分9割にタンパク質、リン脂質、ポルフィリンなどが含まれています。
涙は角膜に栄養分を補給し、まぶたの動きをなめらかにして、ほこり、毛、ゴミを洗い流しています。
役目をはたした後は、鼻涙管という管を通って鼻に抜けていきます。
涙やけ自体は命に関わる疾患ではありませんが、見た目の印象が変わったり、皮膚炎の原因になったりします。また、涙やけは目の健康問題や全身の病気のサインである場合もあります。
<犬の涙やけの症状>
涙やけの主な症状は
- 目の下の被毛が赤茶色に変色
涙に含まれる「ポルフィリン」という物質が被毛に染み込み、徐々に変色を引き起こしてきます。ポルフィリンは、体内の赤血球の分解によって生じる色素です。 - 目じりの皮膚のかゆみや炎症
涙が常に皮膚に接していると湿った状態が続き、細菌や酵母(マラセチア菌)が繁殖して皮膚炎を引き起こすことがあります。 - 涙が過剰に流れる
涙の量が多い場合や目の周囲がいつも濡れている状態が続く場合、涙やけの兆候と考えられます。
<犬の涙やけの原因>
涙やけの原因はさまざまで、鼻涙管の閉塞が主ですが、犬種や体質によるものや、他にも健康問題や環境要因も関与します。
1. 鼻涙管の閉塞
涙は産生されて役目をはたした後、鼻涙管という管を通って鼻に抜けています。涙を鼻腔へ排出する管が詰まると、涙が目の外にあふれてきます。
2. 目の健康問題
- 逆さまつげ(睫毛内反症)
まつげが目に向かって生えていると、目に刺激を与え、涙の過剰分泌を引き起こします。 - 角膜炎や結膜炎
目の炎症や感染症が涙の増加につながります。
3. 解剖学的要因
短頭種や鼻腔が短い犬種では、涙が正常に排出されにくいため、目からあふれやすい傾向があります。また、目の構造やまぶたの形状が涙の流れを妨げる場合もあります。
4. アレルギーや環境要因
アレルギー反応(ハウスダスト、花粉、化学物質など)や煙、風、ホコリなどの環境要因も涙の分泌を増やす可能性があります。
5. 食事や栄養
過剰な添加物や合成保存料が含まれた食事が原因となる場合もあります。また、ビタミンやミネラルの不足が皮膚や目の健康に影響を与えることもあります。
<犬の涙やけの診断>
必要に応じて検査をしていきます。
1. 問診と視診
飼い主様からの詳細な情報を伺い、犬の目元や被毛、皮膚の状態を確認します。
2. フルオレセイン染色検査
目の表面に傷や異常がないか確認するための検査です。涙の流れを確認するのにも役立ちます。
3. 涙量の測定(シルマーティアテスト)
涙の分泌量を測定し、過剰分泌や乾燥の有無を調べます。
4. 鼻涙管の通過性検査
全身麻酔下で鼻涙管が詰まっているかを調べるために鼻涙管を洗浄して流れを確認します。
<犬の涙やけの治療>
当院では、犬の涙やけに対するさまざまな治療方法をお伝えしております。治療は原因によって異なりますが、以下の方法が一般的です。
1. 目のケア
- 涙やけが軽度の場合、アイリッドラッッシュなどの洗浄液で目の周りを清潔に保つことで改善が見込めます。
- 毎日のケアが涙やけの進行を防ぐ鍵です。
2. 外科的治療
- 涙小管の閉塞や逆さまつげや原因の場合、全身麻酔での治療が必要となることがあります。
3. アレルギー管理
- アレルギーが疑われる場合は、アレルゲンの特定と回避が重要です。
- 食事療法や抗アレルギー薬の投与を行うこともあります。
4.抗生物質や抗菌治療
目じりに皮膚炎や細菌感染が確認された場合、抗生物質や抗炎症薬を使用する場合があります。
<まとめ>
当院では、涙やけの治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。診断から治療、日常ケアのアドバイスまで対応いたします。愛犬の健康で快適な生活をサポートするため、お気軽にお問い合わせください。
また、当院ホームページ内の眼科もあわせてご覧ください。