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犬の陰部からの出血について

浜松市中央区にある動物病院の「けんご動物クリニック」です。

今回は犬の陰部からの出血についてご説明させていただきます。

けんご動物クリニックでは、犬の陰部からの出血の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。

犬の陰部からの出血とは?

浜松市の動物病院のけんご動物クリニックに来院される飼い主様から、「おしりから血が出ている」「股からの出血がとまらない」「膣からの出血がずっとつづく」「メスの股から血膿が出ている」「陰部をしきりになめている」「おしっこが赤い」「女の子の部分から血が出る」「陰部から血が流れる」といったご相談を受けることがあります。

犬の陰部からの出血は、発情(ヒート)による生理的なものから、炎症・感染、子宮の病気、腫瘍などの重度の疾患までさまざまな原因があります。特に、避妊手術をしていないメス犬では、婦人科系の病気が隠れている可能性があります。

犬の発情期にみられる陰部からの出血は、飼い主様は“生理”と理解していることも多く、人の生理(=子宮内膜がはがれて出血すること)と犬の発情出血は見た目が似ています。正確には“発情出血”と呼ばれ発情期にホルモンの影響で血が出ます。

発情による出血は年に1〜2回、生後6〜8か月以降に始まり、通常7〜21日ほど続きます。しかし、出血量が多い・長く続く・いつもと周期が違うなどの症状がみられる場合は、病気による不正出血の可能性があります。
また、オス犬でも包皮炎などで軽度の出血が見られることがあります。

陰部の出血は、その犬の健康状態を正確に診断するための重要なサインとなります。

犬の陰部からの出血の症状

陰部周囲の血の付着以外にも、以下のような症状を伴うことがあります。

  • 陰部を頻繁になめる
  • 出血量が多い、または長期間続く
  • おりものが出る(白・黄色・緑・茶色など)
  • 元気消失・食欲低下
  • 発熱、震え
  • 尿のにごり、血尿
  • 排尿回数が増える
  • 腹部の張り
  • 嘔吐、下痢
  • 水をよく飲む・尿の量が増える(多飲多尿)

特に、膿の混じったおりもの元気がない症状がある場合は「子宮蓄膿症」が疑われ、緊急性が高くなります。

犬の陰部からの出血の原因

犬の陰部出血には、以下のように多くの原因が考えられます。

● ① 発情による出血

正常な生理現象で、出血は通常数週間続きます。しかし、周期に合わない出血や半年以上続く出血は異常の可能性があります。

● ② 膣炎(ちつえん)・外陰炎

細菌感染、アレルギー、外傷などで膣や陰部周囲に炎症が起こる状態です。出血のほか、腫れやにおいのあるおりものを伴うことがあります。避妊手術をしていてもおこることがあります。

● ③ 膣ポリープ・腫瘍

膣内部のしこりや腫瘍が出血の原因となる場合があります。中〜高齢犬に多く見られます。

● ④ 子宮疾患(子宮蓄膿症・子宮内膜炎など)

避妊していないメス犬では最も危険な原因のひとつです。膿が子宮にたまる子宮蓄膿症は、発熱、食欲不振、多飲多尿(水をよく飲む)、陰部からの膿性の血まじりのおりものを伴います。放置すると命に関わります。

● ⑤ 卵巣腫瘍(顆粒膜細胞腫など)

卵巣腫瘍の中には、エストロゲンという女性ホルモンを過剰に分泌するタイプがあり、それにより不正出血が起こることがあります。
顆粒膜細胞腫では以下の症状が見られることがあります。

  • 発情の出血が長く続いている
  • 陰部の腫れが引かない
  • 乳腺の張り
  • 半年以上続く断続的な出血
  • 定期的な発情出血の間隔と違う

● ⑥ 尿路疾患(膀胱炎、尿石症など)

血尿が陰部からの出血と見間違われることがあります。排尿時に痛みがある、尿の回数が増えるなどの症状を伴います。

● ⑦ 外傷・異物

遊びや散歩中のケガ、尖った草、異物による刺激で陰部が傷つき出血することもあります。

● ⑧ オス犬:包皮炎

包皮内部の炎症で、黄色〜白色のおりものや軽度の出血が見られます。

犬の陰部からの出血の診断

必要に応じて、以下の検査を組み合わせて診断していきます。

身体検査・視診

出血量、色、におい、陰部の腫れ、炎症などを確認します。

膣鏡検査

膣内の炎症、腫瘍、ポリープなどを直接確認します。

超音波検査(エコー)

子宮の腫れ、卵巣の異常、腫瘍の有無を調べます。特に子宮蓄膿症や卵巣腫瘍の診断に効果的です。

血液検査

炎症反応、貧血の有無など全身状態を評価します。

尿検査

血尿の有無、膀胱炎や結石の可能性を調べます。

病理組織検査・細菌培養検査

腫瘍が疑われる場合には病理組織検査は腫瘍の確定診断に役立ちます。

膣炎の場合、原因菌の特定や抗生剤の選択に役立ちます。

犬の陰部からの出血の治療

原因に応じて以下の治療を行っていきます。

● ① 発情による出血

治療は不要ですが、望まない妊娠の防止や将来の病気予防のために避妊手術を検討できます。

● ② 膣炎・外陰炎

抗生剤、炎症を抑える薬、洗浄などを組み合わせて治療します。

● ③ 膣ポリープ・腫瘍・膣過形成

必要に応じて外科手術で切除します。避妊手術も同時に検討します。

● ④ 子宮蓄膿症

卵巣・子宮の摘出手術が治療の基本となります。救命率を上げるため、早期の診断と手術が重要です。

● ⑤ 卵巣腫瘍

基本治療は外科手術で、卵巣・子宮摘出を行います。ホルモン異常が改善し、不正出血が治まることが多いです。

● ⑥ 尿路疾患

抗生剤、鎮痛剤、点滴、食事療法など、原因に合わせた治療を行います。大きな膀胱結石症の場合は膀胱内から手術で取り出します。

● ⑦ 外傷

消毒、軟膏処置、場合によっては縫合が必要です。

● ⑧ 包皮炎(オス犬)

洗浄、抗生剤軟膏、内服薬で治療します。

まとめ

犬の陰部からの出血は、正常な発情によるものから、命に関わる病気まで幅広い原因があります。
特に避妊していないメス犬では、子宮蓄膿症や卵巣腫瘍などの重篤な病気が潜んでいる可能性があります。

けんご動物クリニックでは、犬の陰部からの出血の診断・治療を行っております。
浜松市で動物病院をお探しの方で、いつもと違う出血、長引く出血、元気がないなどの症状がある場合は早めにご相談ください。

また、当院ホームページ内の健康診断もあわせてご覧ください。

袴田 健吾 先生の写真

この記事の監修

袴田 健吾                        Kengo Hakamata

けんご動物クリニック 院長・獣医師

浜松市出身。獣医師国家試験合格後、静岡県内の動物病院で経験を積み、「けんご動物クリニック」を開院。

犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。

飼い主さまとペットの気持ちに寄り添いながら、「この病院に任せてよかった」と思ってもらえる診療をめざしている。

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