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犬の目やにとは

犬の目やには、涙、粘液、細胞の残骸、免疫細胞(主に白血球)などで構成され固まったものです。目やには健康な状態でも少量発生することがありますが、異常に多かったり色や質が変わったりする場合、何らかの病気や健康問題が隠れている可能性があります。目やには犬の健康状態をみるための大切なサインです。

目やにの量や性状は犬種や年齢、環境などによっても変わります。たとえば、短頭種の犬(チワワやシーズーやパグなど)は目やにが出やすい傾向にあります。飼い主様は普段から愛犬の目やにの状態を観察し、異常がないか注意をしましょう。

異物が目に侵入するときの主な反応

  1. 涙の分泌増加:涙は異物を洗い流す役割を持ち、異物が入ったときに涙腺が活発に働きます。
  2. 炎症反応:異物が角膜や結膜を刺激すると、炎症が起きます。この結果、粘液(ムチン)や白血球が分泌され、目やにが発生します。

犬の目やにの症状

目やには次のような症状として現れることがあります

  1. 色の変化: 透明な目やには通常問題ありませんが、黄色や緑色、茶色などに変わった場合、感染症や炎症が疑われます。
  2. 量の増加: 普段よりも目やにが多い場合は、目の異常を示している可能性があります。
  3. 目の周りの赤みや腫れ: 目やにと併せて目の周囲が赤く腫れる場合は、結膜炎や角膜炎などの炎症が考えられます。
  4. 目のかゆみや痛み: 犬が目をこする、または顔をこすりつける仕草を見せる場合、目に不快感があるかもしれません。
  5. 涙の過剰分泌: 目やにが多いとともに涙が異常に多い場合、流涙症や鼻涙管の閉塞などが原因の可能性があります。

これらの症状が見られる場合、早めに動物病院で診察を受けることをおすすめします。

犬の目やにの原因

  • 感染症
    • 細菌感染: 細菌が目に侵入すると、目やにが黄色や緑色に変わることがあります。
    • ウイルス感染: 犬アデノ、ヘルペス、パラインフルエンザ、ジステンパーなどのウイルス感染は、目やにや結膜炎を引き起こすことがあります。
  • アレルギー
    • アレルギーによる炎症で目やにが増える場合があります。例えば、花粉やほこり、食物アレルギーが原因となることがあります。
  • 外傷
    • 目に傷がついたり、異物が入ったりすることで、炎症や感染が起こり目やにが出ます。
  • 涙管閉塞
    • 涙を排出する鼻涙管が詰まると、目やにや涙が目の周りにたまります。
  • 眼疾患
    • 緑内障や角膜炎、結膜炎などの目の病気が目やにの原因になることがあります。
  • 加齢
    • 高齢犬は目やにが出やすくなる傾向があります。老化に伴う目の乾燥や涙の質の変化が原因となることがあります。

犬の目やにの診断

目やにの診断には、獣医師による詳細な検査が必要です。必要に応じて以下の検査を行っていきます。

  1. 視診: 目やにの色や量、目の周囲の状態を目視で確認します。
  2. 問診: 飼い主様から目やにの出始めた時期、頻度、生活環境についてお伺いします。
  3. 染色検査: フルオレセインという染料を使い、目の傷を調べます。
  4. 涙液検査: 涙の量や質を測定して、涙の過剰分泌や乾燥の有無を確認します。
  5. 細菌培養検査: 細菌感染が続く場合、目やにを採取して培養検査を行い、薬剤感受性試験で効果のある抗生物質を選びます。

これらの検査を基に、適切な治療方法を提案します。

犬の目やにの治療

目やにの治療は原因によって異なります。以下は主な治療方法です

  1. 薬物治療

    抗生物質:細菌感染が原因の場合、抗生物質の点眼薬を使用します。内服薬を併用することもあります。

    抗炎症薬:炎症を抑えるための点眼薬やステロイド薬が処方されることがあります。

  1. 環境改善:アレルギーや異物が原因の場合、犬の生活環境を見直し、アレルゲンを取り除くことが大切です。
  1. 外科的治療:涙管の閉塞が原因の場合、鼻涙管洗浄や外科的な処置が必要となる場合もあります。
  1. 定期的なケア:毎日の目元の清潔を保つため、湿らせた柔らかい布や専用の目のクリーナーを使用して目やにを取り除きます。ただし、強くこすらないよう注意してください。

まとめ

犬の目やには、日常的な観察で気づきやすい症状ですが、軽視せず適切な対応をすることが大切です。目やにが増えたり異常な色や状態になったりした場合は、すぐに動物病院で診察を受けましょう。

当院では、犬の目やにに関する診察および治療を行っております。お悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

また、当院ホームページ内の眼科にも詳しく記載しております。そちらもあわせてご覧ください。

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