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猫が食べるのに痩せる原因と考えられる病気・受診の目安は?

「最近よく食べているのに痩せてきた」

「食欲はあるのに背骨が目立つようになった」

「高齢猫がどんどん細くなって心配」

このようなお悩みで来院される飼い主様は少なくありません。

猫の体重減少は、食欲が落ちている場合だけではなく、むしろ「よく食べているのに痩せる」という形で現れることがあります。

食欲があると安心してしまいがちですが、その裏には病気が隠れていることもあります。一方で、加齢や生活環境など病気以外の理由で体重が減ることもあります。

今回は「猫が食べるのにやせる」原因について、病気と病気以外の両方の観点からお話します。

浜松市中央区のけんご動物クリニックでは、猫の「食べるのにやせる」症状の診断・治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください

猫が食べるのにやせることとは

猫が「食べるのにやせる」とは、食欲が維持されている、あるいは以前より食べる量が増えているにもかかわらず体重が減少していく状態です。

健康な猫では、食べた栄養が筋肉や脂肪として蓄えられます。しかし病気や加齢などの影響によって、栄養を十分利用できなかったり、エネルギー消費が増えたりすると体重が減少します。

特に7歳以上のシニア猫や10歳以上の高齢猫では注意が必要になります。

猫が食べるのにやせる症状

以下のような変化がみられることがあります。

・背骨や腰骨が目立つ

・抱っこした時に軽く感じる

・お尻周りが細くなる

・筋肉が落ちる

・毛づやが悪くなる

・よく食べる

・水をよく飲む

・おしっこの量が増える

・下痢や軟便が続く

・嘔吐する

・活動性が低下する

体重減少は徐々に進行することが多く、毎日見ている飼い主様ほど気付きにくい傾向があります。

月に1回程度の体重測定はおすすめです。

猫の食べるのにやせる原因

甲状腺機能亢進症

高齢猫で非常に多い病気です。

甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、体の代謝が異常に活発になります。

そのため、たくさん食べていてもエネルギー消費が増え、痩せていきます。

主な症状

・食欲の増加

・体重の減少

・水を飲む量、尿の量が多くなる

・落ち着きがなくなる

・鳴くことが増える

・嘔吐

高齢猫で「食べるのに痩せる」ときに最もよく遭遇する病気の一つです。

糖尿病

血液中の糖をうまく利用できなくなる病気です。

十分な栄養を摂取していても体がエネルギーとして利用できず、筋肉や脂肪を分解してしまうため痩せていきます。

主な症状

・食欲の増加

・体重の減少

・水を飲む量、尿の量が多くなる

・元気消失

・後肢のふらつき

慢性腎臓病

猫で非常に多い病気です。

初期には食欲が比較的保たれることもありますが、徐々に筋肉量が減少して体重が落ちていきます。

慢性腸症(IBD)や消化管リンパ腫

腸で栄養を十分吸収できなくなる病気です。

食欲があっても栄養が体内に取り込めないため体重が減少していきます。

主な症状

・慢性的な下痢

・嘔吐

・体重の減少

・食欲の変化

寄生虫の感染

若齢猫や保護猫でみられます。

回虫などの寄生虫が栄養を奪うため、食べていても痩せることがあります。

腫瘍(がん)

高齢猫では腫瘍で体重が減少することもあります。

腫瘍細胞が大量のエネルギーを消費するため体重減少が起こります。

加齢による筋肉量の低下

高齢猫では病気がなくても筋肉量が減少します。

特に後ろ足や腰回りの筋肉が減少し、

・背骨が目立つ

・お尻が細くなる

・体重が少しずつ減る

といった変化がみられます。

ただし、高齢だから仕方ないと決めつけず、病気が隠れていないか確認することが大切です。

食べているようで実はカロリー不足

飼い主様から

「たくさん食べています」

と聞いても、実際には必要カロリーに達していないことがあります。

例えば

・ダイエットフード

・低カロリーフード

・シニアフード

・おやつ中心の食事

で十分なカロリーが摂れていないことがあります。

多頭飼育による食事不足

多頭飼育では意外とよくあります。

食器の前には来ていても

・他の猫に遠慮する

・途中で譲る

・横取りされる

ことで実際には十分食べられていない場合があります。

活動量の増加

若い猫や活発な猫では、

・よく遊ぶ

・走り回る

・発情による活動性増加

などでエネルギー消費量が増えることがあります。

ストレス

猫は環境変化に敏感です。

・引っ越し

・家族構成の変化

・新しい猫をお迎えする

などによって摂取量が少しずつ減少し、結果として体重が落ちることがあります。

季節変化

夏場は食欲や活動量の変化により体重がやや減少することがあります。

ただし大幅な体重減少は病気を疑う必要があります。

猫が食べるのにやせることの診断

当院ではまず身体検査を行い、

・体重測定

・筋肉量の評価

・血液検査

・尿検査

・便検査

・レントゲン検査

・超音波検査

・甲状腺ホルモン検査

など必要に応じて実施します。

特に中高齢猫では病気が隠れていることが少なくないため、早めの検査が重要です。

猫が食べるのにやせることの治療

治療は原因によって異なります。

甲状腺機能亢進症

・内服薬

・療法食

・定期検査による薬の調整

糖尿病

・インスリン治療

・内服薬

・食事管理

慢性腎臓病

・療法食

・点滴治療

・内服薬

慢性腸症

・食事療法

・整腸剤

・抗炎症治療

加齢による筋肉量の低下

・高タンパク食

・適度な運動

・定期的な体重管理

病気以外が原因であっても、栄養管理の見直しが必要になることがあります。

よくある質問

加齢による筋肉量低下もありますが、甲状腺機能亢進症や慢性腎臓病などの病気が隠れていることがあります。体重減少が続く場合は動物病院で相談することをおすすめします。

高齢猫では病気のサインである可能性があります。食欲があっても一度検査を受けると安心です。

甲状腺機能亢進症や糖尿病などでみられることがあります。血液検査で確認できる場合があります。

月に1回程度がおすすめです。高齢猫ではより頻繁な確認が役立ちます。

元気があっても病気が進行していることがあります。体重減少が続く場合は受診をご検討ください。

まとめ

猫が食べるのにやせることの原因には、甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性腎臓病、慢性腸症、腫瘍などの病気がある一方で、加齢による筋肉量の低下やカロリー不足、多頭飼育、ストレスなど病気以外の原因もあります。

しかし実際の診療では、「食欲があるから大丈夫」と思っていた猫ちゃんから病気が見つかることも少なくありません。

特に高齢猫で体重減少がみられる場合は、一度健康チェックを受けることをおすすめします。

けんご動物クリニックでは、猫の体重減少や食欲異常の診断・治療を行っております。浜松市中央区・浜名区・天竜区・磐田市・袋井市周辺で「猫が食べるのに痩せる」「高齢猫の体重減少」「食欲はあるのに体重が減る」などでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

また、当院ホームページ内の健康診断もあわせてご覧ください。

袴田 健吾 先生の写真

この記事の監修

袴田 健吾                        Kengo Hakamata

けんご動物クリニック 院長・獣医師

浜松市出身。獣医師国家試験合格後、県内外の動物病院で経験を積み、浜松市中央区「けんご動物クリニック」を開院。

犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。

スタッフみんなで飼い主様とペットに寄り添う診療を目指しています。

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