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犬が耳をかゆがるのはなぜ?外耳炎の原因と治療について
浜松市中央区にある動物病院の「けんご動物クリニック」です。
犬が耳をかゆそうにしていたり、耳がにおったりすると、飼い主さまの中では「耳が悪い=中耳炎」と思われることもあれば、「外耳炎」という言葉に馴染みのある方もいらっしゃいます。
人では子どもの頃に“中耳炎”を経験することが多いため、耳の病気というと中耳炎を思い浮かべやすくなる方が多いかもしれません。
犬の場合は耳の構造が少し違い、耳の入口から鼓膜までの“外耳”で炎症が起こることが非常に多いという特徴があります。そのため犬の耳のトラブルでは、中耳炎よりも外耳炎が関係していることがほとんどです。
犬の耳のしくみや外耳炎の特徴を知っていただくことで、早めの気づきと適切なケアにつながります。
犬の外耳炎とは
浜松市中央区の「けんご動物クリニック」では、「耳をかゆがる」「耳が臭い」「黒い耳垢」などで飼い主様が気づかれて来院されることが多いです。外耳の構造(耳介・外耳道)の説明を含め、原因・症状・治療をわかりやすく紹介します。
外耳炎は、外耳(耳の外側から鼓膜までの部分)に炎症が起きる病気です。
犬では非常に多く、アメリカ獣医皮膚科学会では皮膚科疾患の10〜20%を占めるとも報告されています。
外耳は次の2つの構造でできています。
● 外耳とは(耳介と外耳道の解説)
外耳とは、外側から鼓膜までの部分 を指し、以下の2つを含みます。
① 耳介(じかい)
いわゆる“耳”と呼ばれる、ひらひらした外側の部分です。
アンテナのように音を集め、耳の中に導く重要な役割があります。
② 外耳道(がいじどう)
耳介の内側から鼓膜まで続くトンネル状の道です。
犬の外耳道は L字型に深く曲がっており、湿気や汚れがたまりやすい構造 をしています。このため、犬は人よりも耳道が長く、外耳炎を発症しやすいとされています。
➡ 外耳炎は、耳介〜外耳道(鼓膜の手前まで)に炎症が起こる病気です。
炎症が悪化すると、
外耳炎→中耳炎→内耳炎 → 平衡障害・顔面神経麻痺
と広がることもあり、早期治療が大切です。

犬の外耳炎の症状
外耳炎は飼い主様が気づきやすい病気ですが、初期症状を見逃すと悪化しやすいため注意が必要です。
● よく見られる症状
- 耳をかゆがる(頻繁に頭を振る)
- 耳を床やテレビ台にこすりつける
- 耳が臭い・臭う(外耳炎の代表的なサイン)
- 耳が赤い・腫れている
- 黒い耳垢、ベタベタした耳垢
- 触ると痛がる、怒る
- 耳付近をうしろあしで頻繁にかく
● 症状が進むと
- 耳道が肥厚する(耳の穴が狭くなる)
- 中耳炎・内耳炎
- ふらつき、平衡感覚の異常
- 顔面神経麻痺(まぶたが閉じない、口が垂れる)
重度になるほど治療が長引くため、早めの治療が重要です。
犬の外耳炎の原因
外耳炎は「単独の原因ではなく、複数の要因が重なる」ことで発症することが獣医学的に示されています。
① アレルギー(食物アレルギー)
慢性外耳炎の50〜80%でアレルギーが背景にあると報告されており、
「外耳炎を繰り返す犬」では特に重要な要因です。
あしをなめているようなら、アレルギーの疑いがより強くなります。
② マラセチア(酵母菌)・細菌
外耳炎で最も多い原因です。
耳の中が湿ったり、炎症で皮膚が弱くなる環境悪化によって、本来少しいるマラセチア菌、細菌が増えて外耳炎になります。
- 茶色〜黒い耳垢
- 酸っぱいニオイ
が特徴的です。
③ 耳の形や体質(垂れ耳・耳毛が多い犬)
④ 異物(草の種など)
散歩中に耳に入ることで急性の外耳炎を起こします。
⑤ シャンプーや水分
耳に水が残ると外耳道の湿度が上がり、菌が増えやすくなります。
● 慢性外耳炎
炎症が長期間続くと耳道が狭くなり、薬が届かず外用薬・内服では「治らない外耳炎」になっていきます。
犬の外耳炎の診断
必要に応じて検査をしていきます。
● 耳鏡検査
耳の奥の炎症・異物・耳垢の量・鼓膜の状態を確認します。
● 耳垢検査(顕微鏡)
耳垢内の
- マラセチア
- 細菌(球菌・桿菌)
- 炎症細胞
- ミミダニ
を調べます。
● アレルギー検査
再発性の外耳炎では必要となることがあります。
● レントゲンなどの画像検査
中耳炎などが疑われる際に行います。
犬の外耳炎の治療
① 耳道洗浄・耳処置
届きにくい奥の汚れを除去し、薬が効きやすい環境にします。
② 点耳薬
原因菌に合わせて
- 抗生剤
- 抗真菌薬
- ステロイド
を組み合わせた薬を使用します。
●院内で1回点耳することで1か月効果のある外用薬(ネプトラ)があります。
自宅で噛みついたりして1日1回の点耳がなかなか難しい場合に有効です。
③ 内服薬
痛みや強い炎症、細菌感染がある場合に使用します。
④ アレルギー治療
繰り返す外耳炎では根本原因であるアレルギー管理が重要になります。
⑤ 外科手術(重度例)
耳道が閉塞し薬が届かない場合には手術(外耳道切除術) をすることができます。
外耳道を広げて音を聞こえるようにします。
けんご動物クリニックでは外耳道切開手術に対応しております。
外耳炎の予防
- 耳が湿りやすい犬はこまめな耳洗浄液で耳ケア
- 定期的な耳のチェック
- シャンプー後に耳をしっかり乾かす
- 早めに違和感へ気づくこと
特に垂れ耳の犬は湿気がこもりやすく外耳炎が非常に多いため、日ごろのケアが重要です。
まとめ
犬の外耳炎は、外耳(耳介〜外耳道)の炎症で、耳が臭い・かゆい・黒い耳垢などから気づかれる飼い主様が多いです。
早期治療と原因に応じたケアを行うことで、多くは改善します。
再発を防ぐには、外耳の構造を理解し、適切なケアを続けることが大切です。
浜松市中央区の動物病院の「けんご動物クリニック」では、外耳炎の治療を行っておりますので、お悩みの場合は一度ご相談ください。
また、当院ホームページ内の皮膚科もあわせてご覧ください。

この記事の監修
袴田 健吾 Kengo Hakamata
けんご動物クリニック 院長・獣医師
浜松市出身。獣医師国家試験合格後、県内外の動物病院で経験を積み、浜松市中央区「けんご動物クリニック」を開院。
犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。
スタッフみんなで飼い主様とペットに寄り添う診療を目指しています。
お問い合わせは
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