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猫の抜け毛(脱毛)とは
浜松市中央区にある動物病院の「けんご動物クリニック」です。
今回は猫の抜け毛(脱毛)についてご説明させていただきます。
抜け毛・毛が抜ける症状の治療を行っておりますのでお悩みの場合は一度ご相談ください。
猫の抜け毛(脱毛)とは
浜松市の動物病院のけんご動物クリニックに来院される飼い主様から猫の毛がよく抜けて困っているという相談をよく受けます。「脱毛部分の皮膚が赤くなっている」「全体的にいつも抜ける」「なんかはげてる」「脱毛部分のひふがざらざらしている」「ずっとなめて毛がなくなっている」など様々な相談があります。
猫の抜け毛は、季節の変わり目に起こる生理的な換毛(かんもう)と、病気やストレスにより起こる異常な脱毛に分けられます。
生理的な換毛は季節の変わり目に通常おきますが、室内での飼育の場合には室温が一定なため年中毛が抜けます。通常であれば毛が生え変わる周期(毛周期)に合わせて自然に抜けます。
部分的に地肌が見える・左右差がある・かゆみが強い・脱毛部分のひふが赤い・脱毛部分がブツブツしているといった場合は、何らかの病気が関係している可能性があります。
猫は自分でグルーミング(毛づくろい)をするため、飼い主様が気付かないうちに毛を過度に舐め続けてなめこわして脱毛が進行していることも少なくありません。
そのため、普段との違いに早めに気づくことが、病気の早期発見に繋がります。
猫の抜け毛・毛が抜ける症状
猫の脱毛は、見た目だけでなく、原因によって症状の出方が異なります。
よくみられる症状:
- 部分的に毛が薄くなる、地肌が見える
- 腹部や太もも内側など、舐めやすい場所の脱毛
- かゆみ、赤み、湿疹
- 毛並みの悪化、パサつき
- フケが増える
- 過度な毛づくろい(グルーミング)
とくにお腹や内股の毛が薄い場合は、ストレス性の心因性脱毛症が疑われることがあります。
また、首周りや背中など、猫が舐めづらい場所の脱毛は、皮膚感染症や寄生虫の可能性が高くなります。
猫の抜け毛・毛が抜ける原因
猫の脱毛には多くの原因があり、複数が組み合わさって脱毛を悪化させることもあります。
● ① アレルギー
最もよくみられる原因です。
食物アレルギー・ノミアレルギー・環境アレルギー(ハウスダスト、花粉、カビなど)が代表的です。
アレルギーがあると皮膚に炎症が起こり、かゆみのために舐めたり噛んだりして毛が抜けます。
● ② 皮膚感染症(細菌性皮膚炎、真菌症)
皮膚に細菌が増える 細菌性皮膚炎 や、いわゆる「リングワーム」と呼ばれる 真菌(カビ)感染-皮膚糸状菌症 は、円形の脱毛を起こすことがあります。
皮膚糸状菌症は人にも感染することがあるため早めの治療が必要です。
● ③ 寄生虫
ノミ・マダニ・ヒゼンダニ(疥癬)ミミヒゼンダニ(ミミ疥癬) などが原因で強いかゆみと脱毛を引き起こします。
外に出ない猫でも、人の衣服や荷物を介して侵入することもあります。
● ④ ストレス
引っ越し、新しい家族の加入、環境の変化などでストレスを感じると、過度のグルーミングにより脱毛が悪化します。
心因性脱毛症と呼ばれる状態で、行動学的アプローチが必要になることもあります。
● ⑤ ホルモン異常
甲状腺機能亢進症、副腎皮質機能亢進症などのホルモン疾患も脱毛の原因になります。
高齢の猫で毛並みが悪くなった時は注意が必要です。
● ⑥ 栄養不足
必須脂肪酸の不足や偏った食事は、皮膚バリア機能を低下させ、毛の艶が失われ脱毛しやすくなります。
猫の抜け毛・毛が抜けるときの症状の診断
室内の温度環境が一定な場合で、全体的にいつも毛が抜けているのは生理的な換毛であることが多く、病気ではない可能性が高くなります。
部分的に脱毛していたり、脱毛部分をなめていたり、脱毛部分が赤くなっていたり、ツブツブができている場合には病気である可能性が高く、見た目では原因が分からないため、必要に応じて検査をしていきます。
● 1. 問診・観察
生活環境の変化、食事内容の変化、ストレス要因、脱毛の部位や時期を詳しく伺います。
● 2. 皮膚検査
- 皮膚の顕微鏡検査:細菌や酵母菌(マラセチア)を確認
- 真菌培養検査:カビ感染(皮膚糸状菌)の有無を確認
- 毛の引っ張り検査:毛根の状態を評価
- ウッド灯検査:真菌の一部が蛍光する性質を利用した検査
● 3. 血液検査
全身状態やホルモンの異常や栄養状態を調べます。
● 4. アレルギー検査
血液検査や除去食試験(食物アレルギー判定)を行います。
● 5. 寄生虫検査
皮膚の掻き取り検査でダニの有無を確認します。
猫の抜け毛・毛が抜ける症状の治療
原因に対して適切な治療を行うことで、多くの猫は改善が期待できます。
● ① アレルギーの治療
- アレルギー用フード(除去食療法)
- JAK阻害薬-アポキル
- ステロイド等の抗炎症治療
- ノミ対策(スポット剤・内服薬)
とくにノミアレルギーは1匹のノミでも強い症状が出るため、通年予防が推奨されます。
● ② 皮膚感染症の治療
- 抗生剤
- 抗真菌薬
- 薬用シャンプー
感染症は完治まで時間がかかることがあるため、継続的な治療が大切です。
● ③ 寄生虫の治療
寄生虫駆除薬で迅速に改善します。
多頭飼育の場合は全頭の同時治療が必要です。
● ④ ストレス軽減
- 環境エンリッチメント(隠れ家、遊び場、トイレの追加)
- フェロモン製剤-フェリウェイの使用
- 行動療法
- 必要に応じて抗不安薬の使用
● ⑤ ホルモン異常・栄養面の管理
内科治療や食事の改善で皮膚の状態が整っていきます。
まとめ
猫の抜け毛には季節性のものだけでなく、皮膚病・アレルギー・寄生虫・ストレスなどさまざまな原因があります。
放置すると症状が悪化したり、他の家族に感染する病気が隠れていることもあります。
けんご動物クリニックでは、抜け毛・毛が抜ける症状の治療を行っておりますので、浜松市で動物病院をお探しの方で、気になる症状がある場合はご相談ください。
また、当院ホームページ内の皮膚科もあわせてご覧ください。

この記事の監修
袴田 健吾 Kengo Hakamata
けんご動物クリニック 院長・獣医師
浜松市出身。獣医師国家試験合格後、静岡県内の動物病院で経験を積み、「けんご動物クリニック」を開院。
犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。
飼い主さまとペットの気持ちに寄り添いながら、「この病院に任せてよかった」と思ってもらえる診療をめざしている。




