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犬が水をよく飲むことー多飲について

浜松市中央区にある動物病院の「けんご動物クリニック」です。

今回は犬の多飲(水をよく飲む)についてご説明させていただきます。

けんご動物クリニックでは、犬の多飲(水をよく飲む) の診断・治療を行っておりますのでお悩みの場合は一度ご相談ください。

犬が水をよく飲むことー多飲について

犬がいつもより大量に水を飲む状態を「多飲(たいん)」と呼びます。
一般に、犬の1日の正常な飲水量は体重1kgあたり約50〜60ml程度 とされており、これを大きく上回る場合は注意が必要です。

体重1kgあたり100ml以上飲んでいたら病気の可能性があります。

ただ、一般的には病気でないことが多く、給水ボトルが漏れていて水を多く飲んでいるように見えることや、ふやかしフードをドライフードにしたために食事中の水分量が減り水をとる量が増えたようにみえることや、与える食事の量が少ないためにがぶがぶ水を飲んでいることが多いです。

多飲はそのまま病気ではありませんが、体の異変を知らせるサイン であることも多く、腎臓病やホルモン異常、糖尿病など重篤な疾患の初期症状として見られることがあります。
飼い主様が早めに気づき、受診することで大きな病気を未然に防ぐことができます。浜松市で動物病院をお探しの方で、気になる症状がある場合はご相談ください。

犬の多飲(水をよく飲む)の症状

多飲は単純に「よく水を飲む」だけではなく、「尿・おしっこの量が増える(多尿)」を伴います。また他の症状を伴うこともあります。

よくみられる併発症状

  • 尿・おしっこの量が多い(多尿)
    多飲とセットで起こりやすく、腎臓病や内分泌疾患でよく見られます。
  • 体重減少
    糖尿病や甲状腺機能低下症などで進行すると体重が減ることがあります。
  • 食欲の低下または増加
    病気によっては食欲が落ちたり、逆に増えることもあります。
  • 元気がない、疲れやすい
  • 嘔吐や下痢

多飲が慢性的に続く場合は体内の水分バランスが崩れやすく、脱水や電解質異常につながることもあります。

犬の多飲(水をよく飲む)の症状

多飲の原因は多岐にわたり、治療法も大きく異なります。ここでは代表的な疾患をご紹介します。

1. 慢性腎臓病

腎臓の機能が低下すると、尿を濃縮する力が弱まり尿量が増え、それに伴って水を多く飲むようになります。
シニア犬に非常に多い病気です。

2. 糖尿病

体内でインスリンが不足したり、うまく働かなくなることで、血糖値が上昇します。
高血糖によって尿に糖が出ると、大量の水分も排泄されるため多飲・多尿が起こります。

3. 子宮蓄膿症(メス犬)

子宮内に膿がたまる命に関わる病気です。
細菌感染とホルモンの影響により全身状態が悪化し、多飲・多尿がみられることがあります。避妊していないメスでは特に注意が必要です。

4. 甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンバランスの異常により代謝が乱れ、多飲がみられることがあります。

5. クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

副腎から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰に増える病気です。
多飲・多尿、食欲増加、お腹が膨らむ(腹部膨満)などの症状が特徴的です。

6. 薬剤性

ステロイド剤・利尿剤などの薬の影響で多飲が起きることもあります。

● 7. 行動学的(心理的)要因

ストレスや環境の変化などで水を過剰に飲んでしまう犬もわずかに存在しますが、まずは病気を疑うことが重要です。

犬の多飲(水をよく飲む)の診断

多飲の診断では、まず本当に飲水量が増えているのか、ご家庭での観察が重要です。

正常な1日の飲水量は体重1kgあたり約50〜60ml程度が目安

病気による多飲の場合1日の飲水量は体重1kgあたり約100ml以上が目安です。

家でできるチェック方法-病気による多飲なのかをチェックする。

  • 給水ボトルが漏れていないか確認する。漏れていたら実は水を飲んでいないのに水が減っていて多く飲んでいるように見えてしまっている。
  • ふやかしフードをドライフードに最近していないか確認する。ふやかしフードに含まれる水分量が減ったため水の摂取量は変わらないがドライフードにすると水を飲んでいる量が増えるために病気のように見えてしまう。
  • 与える食事の量が少なくないか確認する。必要な食事の量が少ないために空腹を補うため、水を多く飲んでいる。
  • 1日に飲んだ水の量を測る
    (複数の器がある場合は、1つに統一して測るのがおすすめ)
  • 尿の回数・量の変化をメモする
  • 食欲や元気の有無を記録する

動物病院で行う主な検査-必要に応じて検査を行っていきます。

  • 血液検査(腎臓・肝臓・血糖値など)
  • 尿検査(尿比重・尿蛋白・UPC・尿糖など)
  • 超音波検査(エコー)
    腎臓・子宮・副腎・などを確認します。
  • レントゲン検査-DR
  • ホルモン検査
    甲状腺疾患やクッシング症候群やの診断に必要です。

多飲の原因は1つとは限らず、状況に応じて複数の検査を組み合わせて総合的に判断します。

犬の多飲(水をよく飲む)の治療

治療は 原因となる病気に合わせて行う対症治療+根本治療 が基本です。

1. 慢性腎臓病の場合

  • 腎臓用療法食
  • 点滴治療(皮下点滴)
  • 薬物療法(血圧管理、蛋白尿の抑制など)
  • サプリメント
  • 定期的な血液検査

進行性の病気のため、早期発見と継続的なケアが重要です。

2. 糖尿病の場合

  • インスリン注射
  • 療法食(糖質コントロール)
  • 血糖値のモニタリング

飼い主様のご協力が不可欠な病気ですが、管理次第で長く安定した生活が送れます。

● 3. 子宮蓄膿症の場合

  • 緊急の外科手術(子宮卵巣摘出)が原則


放置すると命に関わるため非常に危険です。

4.甲状腺機能低下症の場合

  • 甲状腺の内服薬

放置すると確実に悪化し、さまざまな全身症状が進行し、生活の質が大きく低下していく慢性疾患。

5.クッシング症候群の場合

  • コルチゾール抑制薬の内服
  • 定期的なホルモン検査で薬の量を調整

治療により多飲・多尿の改善が期待できます

6. その他の原因

原因に応じて、内服薬・療法食・生活習慣の改善などを行います。

まとめ:犬が水をよく飲む時は早めの受診を

犬の多飲は、体が発する大切なサインです。
「歳だから仕方ないかも」「よく飲むだけで元気だから大丈夫」と思っているうちに、病気が悪化してしまうケースも少なくありません。

犬がいつもより水を飲む・尿が多いと感じたら、早めの診察をおすすめします。
けんご動物クリニックでは、犬の多飲・多尿の診断・治療を行っておりますので、浜松市で動物病院をお探しの方で気になる症状がある場合はご相談ください。

また、当院ホームページ内の腎泌尿器科健康診断軟部外科・整形外科もあわせてご覧ください。

袴田 健吾 先生の写真

この記事の監修

袴田 健吾                        Kengo Hakamata

けんご動物クリニック 院長・獣医師

浜松市出身。獣医師国家試験合格後、静岡県内の動物病院で経験を積み、「けんご動物クリニック」を開院。

犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。

飼い主さまとペットの気持ちに寄り添いながら、「この病院に任せてよかった」と思ってもらえる診療をめざしている。

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