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猫が水を飲まないのは大丈夫?何時間まで?-1日の飲水量や原因となる病気、脱水について-

「猫が水を飲まないけれど大丈夫?」「今日、水を飲んでいるところを一度も見ていない」「何時間くらい水を飲まなくても平気なの?」と心配になる飼い主様は少なくありません。

猫はもともと水をたくさん飲む動物ではないため、健康で元気・食欲がある猫であれば、半日(約12時間)程度、水を飲んでいる姿を見かけないことはあります。

ただし、「12時間まったく水分を摂らなくても大丈夫」という意味ではありません。猫は食事からも水分を摂取しているため、ドライフードとウェットフードのどちらを食べているかによっても変わってきます。

特に、ドライフードだけを食べている猫で12~24時間ほとんど水を飲んでいないことが確認できる場合には注意が必要です。24時間近くまったく飲水していない場合は、動物病院へご相談ください。

また、時間に関係なく、食欲や元気がない、何度も吐く、下痢をしている、尿が少ない・出ていないなどの症状をともなっている場合は、早めの受診をおすすめします。

浜松市中央区にある動物病院のけんご動物クリニックでは、猫が水を飲まない、脱水している、水分がとれないといった症状の診察・治療を行っておりますので、お悩みの場合はご相談ください。

猫が水を飲まないとはどのくらい?

猫の祖先は、砂漠などの乾燥した地域に生息していたリビアヤマネコと考えられています。そのため猫は、もともと少ない飲み水でも生活できるように適応してきました。

野生では獲物の肉に含まれる水分から必要な水分の多くを摂取していたため、現在の猫にも、自分から積極的に水をたくさん飲まない傾向があります。

そのため、水を飲んでいる姿をあまり見かけないからといって、すぐに異常とは限りません。

しかし、現在の飼育環境、特に水分の少ないドライフードを中心に食べている猫では、飲み水からの水分補給がより重要になります。

猫が1日に必要とする水分量は、飲み水だけではなく食事に含まれる水分も合わせて、体重1kgあたり約40~60mL程度が一つの目安です。

例えば、

  • 3kgの猫:約120~180mL/日
  • 4kgの猫:約160~240mL/日
  • 5kgの猫:約200~300mL/日

が総水分摂取量の目安になります。

ただし、これは「水のお皿から必ずこの量を飲まなければならない」という意味ではなく、食事に含まれる水分も合わせた「総水分摂取量」です。

ウェットフードには多くの水分が含まれているため、十分に食べている猫では、水のお皿からあまり飲まなくても食事から水分を摂取できていることがあります。

一方、一般的なドライフードに含まれる水分は約8~10%と少ないため、ドライフードだけを食べている猫では、必要な水分の大部分を飲み水から摂取する必要があります。

そのため、食事内容、食欲、元気、尿量などを一緒に確認することが大切になります。

猫が水を飲まないときにみられる症状

水分摂取量が不足すると「脱水」を起こすことがあります。

脱水とは、体内に必要な水分が不足した状態です。

猫が脱水したり体調を崩したりすると、

  • 元気がなくなる
  • 食欲が低下する
  • 口の中や歯ぐきが乾燥する
  • 尿の量や回数が減る
  • 嘔吐や下痢をする
  • 体重が減る
  • ぐったりする

などの変化がみられることがあります。

特に注意したいのが、「水を飲まないだけでなく、ご飯も食べない」場合です。

猫は食事からも水分を摂取しているため、食欲がなくなると食事と飲み水の両方から摂取する水分量が減り、脱水が進みやすくなります。

「猫はもともと水を飲まないから」と考えず、普段との違いを確認することが大切です。

猫が水を飲まない原因

1.もともと水をあまり飲まない

猫はもともと積極的に水をたくさん飲む動物ではありません。

特にウェットフードを食べている猫では、食事から多くの水分を摂取しているため、水のお皿から飲む量が少ないことがあります。

2.水や器が気に入らない

猫は水の状態や器に敏感です。

水が古い、器が汚れている、器の材質が好みではない、ヒゲが器に当たる、水飲み場が落ち着かないなどの理由で水を飲まなくなることがあります。

流水を好む猫では、循環式の給水器にすると飲水量が増える場合もあります。

3.環境の変化やストレス

引っ越し、来客、新しい犬や猫を迎えた、水飲み場を変更したなどの環境変化によって、飲水量が減ることがあります。

多頭飼育では、ほかの猫を気にして水飲み場へ行きにくくなっているケースもあります。

4.口の中が痛い

口内炎、歯周病、歯肉炎、舌炎などによって口の中に痛みがあると、水を飲んだり食事をしたりすることを嫌がる場合があります。

口臭が強い、よだれが増えた、食べ物を口から落とす、食べたそうなのに食べられないなどの症状があれば、口の病気も考える必要があります。

5.病気や体調不良

猫が急に水を飲まなくなった場合には、病気が隠れていることがあります。

例えば、胃腸炎や膵炎などの消化器疾患、発熱を伴う感染症、肝臓・胆嚢の病気、腎臓病、尿路疾患、呼吸器疾患、腫瘍性疾患などでは、吐き気や痛み、食欲不振、全身状態の悪化などに伴って水を飲まなくなることがあります。

特に注意したいのが、尿路疾患や尿道閉塞です。尿道閉塞とは、結石や尿道栓などによって尿の通り道が詰まり、尿を出せなくなる状態で、特に雄猫では注意が必要です。何度もトイレに行くのに尿が出ない、少量しか出ない、トイレで長時間いきむ、嘔吐する、元気や食欲がなくなるなどの症状がある場合には、早急な治療が必要になることがあります。

一方、慢性腎臓病、糖尿病、甲状腺機能亢進症などでは、一般的には水を飲まなくなるよりも、水をたくさん飲む「多飲」がみられることがありますが、病気が進行して吐き気や食欲不振、全身状態の悪化が起こると、水を飲めなくなってきます。

猫が水を飲まないときの診断

動物病院では、「本当に水分が不足しているのか」「水を飲まなくなった原因となる病気がないか」を確認します。

食欲や元気、嘔吐・下痢、尿量、体重の変化などを確認し、口の中や歯ぐきの状態、脱水の程度を評価します。

必要に応じて、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • レントゲン検査
  • 超音波検査(エコー検査)

などを行います。

血液検査では赤血球や白血球、血小板、腎臓や肝臓の状態、血糖値、電解質などを確認します。

電解質とは、体内の水分バランスや神経・筋肉の働きを維持するために重要な成分でナトリウムやカリウムなどを測定します。

猫が水を飲まないときによくある質問【Q&A】

健康で元気・食欲がある猫では、半日(約12時間)程度、水を飲んでいる姿を見かけないことはあります。

ただし、食事から水分を摂取している可能性もあるため、「何時間飲んでいないか」だけでは判断できません。食事内容や元気、食欲、尿量なども一緒に確認しましょう。

ドライフードに含まれる水分は一般的に約8~10%と少ないため、必要な水分の多くを飲み水から摂取します。

健康な猫でも半日程度、水を飲んでいるところを見かけないことはあります。しかし、ドライフードだけを食べていて、12~24時間ほとんど水を飲んでいないことが確認できる場合は注意が必要になります。特に24時間近くまったく飲水していない場合は、動物病院へご相談ください。

食事中の水分を含めた総水分摂取量として、体重1kgあたり1日約40~60mL程度が一つの目安です。

4kgの猫なら約160~240mL/日ですが、ウェットフードに含まれる水分も含まれます。ドライフードだけの場合は、必要な水分の多くを飲み水から補う必要があります。

水も食事もとれない場合は、何らかの体調不良が起きている可能性があります。

特に、ぐったりしている、何度も吐く、下痢が続く、尿が出ない、呼吸がおかしいなどの症状がある場合は、時間にかかわらず早めに動物病院を受診してください。

自分から飲めない猫に、スポイトやシリンジで無理に大量の水を飲ませることはおすすめできません。

水が気管に入る「誤嚥」を起こす危険があります。自力で十分な水分をとれない状態であれば、無理に飲ませるよりも動物病院へご相談ください。

猫が水を飲まないときの治療

治療は、水を飲まない原因や脱水の程度によって異なります。

元気や食欲があり、病気が認められない場合には、まず

  • 新鮮な水を複数の場所に置く
  • 水の器を毎日洗う
  • 広く浅い器に変える
  • 陶器、ガラス、ステンレスなど器の種類を変える
  • 循環式給水器を利用する
  • ウェットフードを取り入れる
  • 食事に無理のない範囲で水分を加える

などの方法で水分摂取量を増やす工夫をします。

一方、脱水が認められる場合には、状態に応じて 皮下点滴や静脈点滴(輸液治療)を行うことがあります。

また、口内炎などで痛みがある場合には口腔内疾患の治療、吐き気がある場合にはその原因に応じた治療、尿道閉塞がある場合には閉塞を解除する処置など、「水を飲まない」という症状だけでなく、その原因となっている病気を治療することが重要になります。

猫が水を飲まないときは「時間」だけで判断しないことが大切です

猫は砂漠などの乾燥した地域に生息していた祖先をもち、もともと積極的に水をたくさん飲む動物ではありません。

そのため、健康な猫で半日程度、水を飲んでいる姿を見かけないからといって、すぐに病気とは限りません。

しかし、ドライフードだけを食べている猫では飲み水が重要な水分補給源です。12~24時間ほとんど飲んでいない場合は注意し、24時間近くまったく飲んでいない場合には動物病院へご相談ください。

「いつもの飲水量と違うか」「食事はとれているか」「元気はあるか」「尿は普段どおり出ているか」を一緒に確認することが大切です。特に、水もご飯もとらない、何度も吐く、ぐったりしている、何度もトイレに行くのに尿が出ないといった場合には、早めに動物病院を受診してください。

浜松市中央区で動物病院をお探しの方で「猫が水を飲まない」「食欲がない」「1日の飲水量が少ない」「脱水していないか心配」「尿量が少ない」といった症状でお困りの場合は、けんご動物クリニックへご相談ください。

※この記事は一般的な情報です。浜松市で猫が水を飲まないことにお困りの方は、けんご動物クリニックへご相談ください。

また、当院ホームページ内の腎泌尿器科、健康診断もあわせてご覧ください。

袴田 健吾 先生の写真

この記事の監修

袴田 健吾                        Kengo Hakamata

けんご動物クリニック 院長・獣医師

浜松市出身。獣医師国家試験合格後、県内外の動物病院で経験を積み、浜松市中央区「けんご動物クリニック」を開院。

犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。

スタッフみんなで飼い主様とペットに寄り添う診療を目指しています。

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