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犬・猫の毛玉の取り方|ブラッシングは「くし(コーム)」が重要!スリッカーブラシとの違いと当院の考え方

「毎日ブラッシングしているのに毛玉ができる」「スリッカーブラシを使うと嫌がってしまう」「耳の下にしこりのようなものがある…」

このようなご相談で来院される飼い主様は少なくありません。

実際に診察すると、「しこり」だと思っていたものが大きく固まった毛玉だったということがよくあります。

長毛種の犬や猫では、毛玉は見た目の問題だけではありません。皮膚炎や感染症の原因になったり、皮膚の異常を隠してしまったりすることもあります。

浜松市中央区の動物病院のけんご動物クリニックでは、毛をきれいに残すことよりも、皮膚を傷つけず、犬や猫への負担をできるだけ少なくすることを大切にしています。そのため、当院では、ご家庭でのお手入れでは特に『くし(コーム)を根元まで通して確認すること』を重視してお伝えしています

犬・猫の毛玉はなぜできるの?

毛玉は、抜け毛や被毛が絡まり、フェルト状に固まったものです。

特に毛玉ができやすい場所は、

  • 耳の後ろ
  • 脇の下
  • あしの付け根
  • お腹
  • お尻周り
  • しっぽ

など、摩擦が多い部位です。

毛玉をほおっておくと皮膚が引っ張られ、痛みや皮膚炎を起こすことがあります。また、通気性が悪くなることで細菌や真菌(カビ)が繁殖しやすくなることもあります。猫では毛づくろいによって抜け毛を多く飲み込むことで、吐毛が増えたり、消化管内に毛球が形成されたりすることがあります。

当院では、「耳の下にかたまりがある」「首にしこりができた」「脇に腫瘍があるかもしれない」と心配して来院されることがあります。

診察すると、実際には皮膚の病気ではなく、大きく固まった毛玉だったというケースがよくあります。

一方で、本当に皮膚腫瘍や皮膚炎が毛玉の下に隠れていることもあります。

そのため、ブラッシングは毛並みを整えるためだけではなく、皮膚の健康状態を確認する大切な健康チェックにもなります。

スリッカーブラシだけでブラッシングをされている方を多く見かけられます。

スリッカーブラシは、

  • 毛をほぐす
  • 抜け毛を取り除く
  • 毛並みを整える

ことを得意とするブラシです。

ただし、表面だけをとかしていると、皮膚に近い部分にもつれや毛玉が残っていることがあります。また、強く皮膚に当てたり、同じ場所を繰り返しブラッシングすると、痛みや皮膚への刺激につながることがあります。

「毎日ブラッシングしているのに毛玉ができる」というご相談が多いのは、この理由もあります。

当院では、まず粗目のくし(コーム)で全身をとかします。

くしが途中で止まる場所には毛玉や毛の絡まりが残っています。

反対に、毛の根元までスムーズに通れば、しっかりブラッシングができている証拠です。

つまり、くし(コーム)は毛玉を見つけるだけでなく、ブラッシングが十分できているか、そして皮膚の状態に異常がないかを確認するための大切な道具です。

当院での毛玉の取り方

毛玉を見つけたら、無理にくし(コーム)で引っ張ることはしません。

毛玉を何度も引っ張ると皮膚まで一緒に引っ張られ、犬や猫は強い痛みを感じます。

一度痛い思いをすると、「ブラッシング=痛いもの」と覚えてしまい、その後のお手入れを嫌がるようになることもあります。

軽い毛玉は少しずつほぐしますが、固くフェルト状になった毛玉は、皮膚の位置を十分確認しながら毛玉を分け、必要に応じて毛玉の部分の毛を最小限カットします。

毛は再び生えてきますが、皮膚は一度傷つくと炎症や感染を起こし、治療が必要になることもあります。

そのため当院では、「毛を残すこと」よりも「皮膚を守ること」を優先しています。

なお、ご家庭で毛玉をハサミで切るときには注意して行ってください。犬や猫の皮膚は非常に薄く伸びやすいため、毛玉と一緒に皮膚まで切ってしまうことが少なくないからです。

自宅での毛玉の取り方

犬や猫の皮膚は人が想像する以上に薄く、よく伸びます。そのため、毛玉の中や皮膚との境目に皮膚が巻き込まれていることがあり、毛玉だけを切っているつもりでも、一緒に皮膚を切ってしまうことが少なくありません。ご家庭で毛玉をハサミやバリカンで取り除く場合は、十分注意してください。

軽い毛のもつれであれば、毛玉の根元を指で押さえ、皮膚を引っ張らないようにしながら、指やコームを使って少しずつほぐします。

一方、固くフェルト状になった毛玉や、皮膚に密着した毛玉をご家庭でハサミを使って切ることはおすすめしません。犬や猫の皮膚は薄く、毛玉によって皮膚が一緒に引っ張られていることがあり、毛だけを切っているつもりでも皮膚を傷つけてしまうことがあります。

もし毛玉を切る場合は、皮膚と毛玉の間に十分な隙間があり、皮膚が巻き込まれていないことをよく確認してから行ってください。

ハサミを使用する場合は、刃を閉じた状態で皮膚と毛玉の間を慎重に確認しながら、少しずつ隙間を作っていきます。そのうえで皮膚の位置を十分に確認し、一度に大きく切ろうとせず、毛玉を少しずつ取り除くことが大切です。

皮膚との境目がわかりにくい場合や、毛玉が皮膚に密着している場合は、無理に処置をせず、動物病院やトリミングサロンへご相談ください。

毛玉の処置が終わったら、最後にもう一度くし(コーム)を全身に通します。

くしが毛の根元までスムーズに通れば、ブラッシングは完了です。

トリミングサロンとは違う方法と感じる飼い主様もいらっしゃると思います。

トリミングサロンでは、毛質や毛玉の程度、皮膚の状態、犬や猫の負担などを確認しながら、スリッカーブラシやコームなどを使って毛玉をほぐしたり、必要に応じて短くカットしたりします。

動物病院でも基本的な考え方は同じですが、皮膚炎や傷、しこりなどの異常がないかを診察できることが特徴です。当院では、強く固まった毛玉を無理にほぐすことで痛みを与えるよりも、必要に応じて毛を短くして安全に取り除くことを優先しています。

そのため、毛玉の部分の毛を最小限カットし、安全に処置することを選択することが多いです。

よくある質問

A. 毛玉を放置すると、皮膚が引っ張られて痛みが出たり、皮膚炎や細菌・真菌(カビ)の感染を起こしたりすることがあります。また、毛玉の下に皮膚の異常が隠れている場合もあります。毛玉が大きい場合や皮膚の状態が確認できない場合は、動物病院で相談することをおすすめします。

A. スリッカーブラシは毛をほぐしたり毛並みを整えたりするのに適したブラシですが、皮膚に近い部分の毛玉は見つけにくいことがあります。当院では、くし(コーム)を使って毛の根元を確認する方法をおすすめしています。ブラッシングを嫌がる場合や毛玉が多い場合は、一度動物病院でブラッシング方法を相談すると安心です。

A. 長毛種では、耳の後ろや首にできた大きな毛玉を「しこり」と感じることがあります。一方で、皮膚腫瘍や皮膚炎などの病気が隠れている場合もあります。見た目だけでは判断できないため、しこりやかたまりを見つけた場合は、動物病院で診察を受けることをおすすめします。

A. 軽い毛のもつれであれば、毛玉の根元を指で押さえて皮膚が引っ張られないようにしながら、指やくし(コーム)を使って少しずつほぐしてみましょう。

一方、固くフェルト状になった毛玉や、皮膚に密着した毛玉をご家庭でハサミやバリカンを使って取り除くことはおすすめしていません。犬や猫の皮膚は薄く伸びやすいため、毛玉に皮膚が巻き込まれていることがあり、毛だけを切っているつもりでも皮膚を傷つけてしまう危険があります。

簡単にほぐれない毛玉や、皮膚との境目がわかりにくい毛玉は無理に取ろうとせず、動物病院やトリミングサロンへご相談ください。

A. 背中だけでは毛玉予防として十分ではありません。毛玉は耳の後ろ、脇の下、お腹、足の付け根、お尻周りなど、摩擦の多い場所にできやすい傾向があります。毛玉ができやすい部位を中心に、くし(コーム)が毛の根元まで通るか確認しながらブラッシングを行うことが大切です。ブラッシングを嫌がる場合や毛玉が取れない場合は、動物病院へご相談ください。

ブラッシングは皮膚の健康チェックです

ブラッシングは、毛並みを整えるためだけのお手入れではありません。毛玉を予防することはもちろん、皮膚炎やしこり、腫瘍などの異常を早く見つけるための大切な健康チェックでもあります。

また、噛みついてくるなど毛玉除去が自宅で難しい場合には、動物病院で全身麻酔した上で毛玉除去をおこなうこともできます。

浜松市中央区にある動物病院のけんご動物クリニックでは、ブラッシング方法や毛玉の処置もお伝えしています。

「毛玉が取れない」「ブラッシングを嫌がる」「耳の下や首にしこりのようなものがある」「長毛種のお手入れ方法がわからない」など、お困りの際はお気軽にご相談ください。

また、当院ホームページ内の皮膚科もあわせてご覧ください。

袴田 健吾 先生の写真

この記事の監修

袴田 健吾                        Kengo Hakamata

けんご動物クリニック 院長・獣医師

浜松市出身。獣医師国家試験合格後、県内外の動物病院で経験を積み、浜松市中央区「けんご動物クリニック」を開院。

犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。

スタッフみんなで飼い主様とペットに寄り添う診療を目指しています。

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