ブログ
Staff
スタッフブログ猫のブログ院長ブログ
猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)とは?-症状・診断・治療について-
浜松市中央区にある動物病院の「けんご動物クリニック」です。
今回は、猫のFIPの原因・症状・診断方法・治療法について、できるだけわかりやすくご説明いたします。
猫を飼っている方の中には、「FIP(猫伝染性腹膜炎)」という病気の名前を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。FIPは「100%治らない不治の病」とされてきた恐ろしい病気ですが、近年は新型コロナウイルス治療の発展によりFIP治療ができるようになりました。治癒率は80~90%で100%完治できるわけでもありません。
猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)とは
FIPは「Feline Infectious Peritonitis(猫伝染性腹膜炎)」の略で、猫コロナウイルス(FCoV)というウイルスが変異することで発症します。コロナウイルス自体は多くの猫が持っているありふれたウイルスで、そのうちごく一部が突然変異し、免疫を過剰に刺激して体に深刻な炎症を引き起こす病気がFIPです。
FIPは主に若齢猫(生後3か月~2歳)に多く見られ、多頭飼育環境や保護施設出身の猫では発症リスクが高まります。浜松市で動物病院をお探しの方で、気になる症状がある場合はご相談ください。
猫のFIPの症状
FIPには大きく分けて「ウェットタイプ(湿性型)」と「ドライタイプ(非湿性型)」の2つのタイプがあります。
【ウェットタイプの特徴】
- お腹や胸に水がたまる(腹水・胸水)
- 呼吸が苦しそう
- お腹がふくれている
- 元気・食欲がなくなる
- 発熱が続く
【ドライタイプの特徴】
- 神経症状(ふらつき、けいれん、目の揺れなど)
- 目の炎症(ぶどう膜炎)
- 食欲不振
- 発熱や体重減少
どちらのタイプも進行が速く、放置すると命に関わる非常に重篤な病気です。
猫のFIPの原因
FIPの原因は猫コロナウイルスの突然変異です。
● 猫コロナウイルスとは?
- 多くの猫が保有しており、主に糞便経由で感染します。
- 感染してもほとんどの猫は軽い下痢や無症状で終わります。
- しかし、一部のウイルスが体内で突然変異を起こすとFIPを発症します。
ストレスや免疫力の低下、多頭飼育などが変異の引き金になると考えられています。
猫のFIPの診断
FIPの診断は非常に難しく、ひとつの検査だけで確定できないのが現状です。そのため複合的に判断します。
主な検査:
- PCR検査(FIP変異株の確認)
- 血液検査(炎症マーカーや蛋白バランスの異常)
- 超音波検査(腹水の確認など)
- 腹水の性状検査(粘り気のある黄色い液体が特徴的)
- 病理検査
FIPに特徴的な所見が複数そろうことで「FIPの可能性が高い」と判断されます。
猫のFIPの治療
かつてFIPは「100%治らない病気」とされていました。近年は新しい抗コロナウイルス治療薬の登場により改善が期待できるようになっています。それでも80~90%の治癒率で100%完治できるわけではありません。そして12週間の治療を推奨されています。
● 抗ウイルス薬(レムデシビル&GS-441524)
- 海外で開発された抗ウイルス薬で、FIPに効果があります。
- 注射薬になりますが高額です。(レムデシビル)
● 抗ウイルス薬(モルヌピラビル)
- 飲み薬でFIPに効果があります。
- レムデシビルに比べて安価で受け入れやすい薬です。
- レムデシビルに比べて情報が少ない点では受け入れにくい薬です。
レムデシビル&GS-441524とモルヌピラビルはどちらの薬も治療効果や副作用に大差ないといわれています。
同等薬ではなく 治療に耐性があれば変更していくことも可能です。
● 対症療法
- 栄養管理
- 抗生剤の使用
- ステロイドの使用
- 胸水や腹水の除去
いずれの治療も早期発見・早期治療が重要です。症状に気づいたらすぐに動物病院を受診してください。
飼い主様ができる予防・対策
FIPは完全に予防することが難しい病気ですが、以下の点に注意することで発症リスクを減らすことができます。
- 多頭飼育の場合、トイレの清掃をこまめに行う
- ストレスを減らす(環境や食事の見直し)
- 定期的な健康診断で早期発見に努める
まとめ
FIPは非常に重い病気ですが、早期に気づいて治療を始めることで回復の可能性がある時代になってきました。愛猫の元気がない、熱が続く、お腹が膨れているなど、気になる症状があればご相談ください。
けんご動物クリニックでは、猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)の治療を行っております。浜松市で動物病院をお探しの方で、お悩みの場合は一度ご相談ください。あなたの大切な猫ちゃんの健康を守るためにサポートいたします。
また、当院ホームページ内の健康診断もあわせてご覧ください。

この記事の監修
袴田 健吾 Kengo Hakamata
けんご動物クリニック 院長・獣医師
浜松市出身。獣医師国家試験合格後、静岡県内の動物病院で経験を積み、「けんご動物クリニック」を開院。
犬・猫の一般診療から予防医療、歯科・皮膚科など幅広い診療に対応し、地域のホームドクターとして日々の健康管理から専門的な治療までサポート。
飼い主さまとペットの気持ちに寄り添いながら、「この病院に任せてよかった」と思ってもらえる診療をめざしている。




